4代目7シリーズ以降から傾向が変わる
そこから開発順番とボディスタイルを明確にさせようという感じが見えたのが4代目の7シリーズで、4ドアセダンがE65型、ロングホイールベース仕様がE66型、安全性強化仕様がE67型、水素エンジンがE68型となっている。7シリーズには以前にもロングホイールベースや安全強化型が発売されていたが型式は同じ。4代目で分けたことから、おそらくBMWの社内でも分かりやすさを検討したのではないだろうか。
その後のE60型セダンとE61型ツーリングの5シリーズをベースとした、2代目X5がE70型となり、E71型がX5のクーペ仕様である初代「X6」、E72型はそのハイブリッド仕様だ。
3シリーズで言えば、5代目の4ドアセダンがE90型、ツーリングがE91型、クーペがE92型、カブリオレがE93型となっていて非常に分かりやすい。つまりEから始まる最初の数字がボディもしくはシャシーを表していて、下一桁がバリエーションを表す。6代目も同様で、「E」を使い切り、次の「F」から始まるF30型6代目3シリーズも、4ドアセダンがF30型でツーリングがF31型だ。
そして新たに派生した3シリーズをベースとした、2ドアの「4シリーズ」がクーペはF32型、カブリオレがF33型を名乗っており、4ドアのグランクーペはF36型となっている。じつは途中に日本ではあまり人気がなかった背の高いクロスオーバースタイルの3シリーズ グランツーリスモ(F34型)というモデルがあり、かなり連番となっていた。
現行モデルはというと「F」を使い果たしたために「G」が使われており、現行3シリーズの4ドアセダンがG20型、ツーリングがG21型、2代目4シリーズのクーペがG22型、カブリオレがG23型、グランクーペがG26型を名乗り、3代目「Z4」はG29型で同サイズのFRらしく関連があることが窺える。
Mモデルは現在もベースとは異なる2桁が与えられる
例外がM3で、初代はE30型だったが、2代目E36型は前期と後期の排気量の違いによって、M3B(3.0L)とM3C(3.2L)と呼び分けられており、先に紹介したが3代目はE46型となっている。そして4代目もボディバリエーションに合わせてE90、E92、E93型となり、それぞれ4ドアセダン、クーペ、カブリオレとなっている。
ところが5代目はM3がF80型、初代「M4」がF82型、そしてM4カブリオレがF83型を名乗っており、ベースの3シリーズと4シリーズがF3X系だけに、どうにも規則性に関連があるようなないような。
同じように、X5はF15型、X6はF16型を名乗るのだが、MモデルとなるとF85型が初代の「X5M」で、そのクーペの「X6M」がF86型となっている。「M2」も初代2シリーズFRはF22&F23型、FF系がF44、F45、F46型(FFの2代目1シリーズがF20&F21型)なのに対し、F87型。M2は従来通りFRであり、基本部分は3シリーズのものが使われたことが窺える。
どうやらこの時期にもなんらかのルール変更があり、Mモデルは独立したモデルとして分けられたのだろう。BMWの広報に質問してみたところ、「数字に規則性はないと思われます」と回答をいただいている。
現在では「G」も使い果たすことになり、「U」と「i」シリーズ(電気自動車)の時代に入ろうとしている。ちなみに最新の7代目7シリーズはG70型だ。もはや「サンロク」や「ニーマル」では通用せずに、E36、G20とアルファベットも言わないとわかりにくい時代が来た。
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長い間3、5、7の基本モデルと、一時期はクーペである6と8といったモデルのみだったBMWも、現在は大きく変わった。MINIもあり、1や2といったコンパクトなモデルも重要だ。そして先鞭をつけたSUVも激戦区であり、電気自動車も外せない。数字が増えるたびに開発陣は膨大な仕事量に忙殺されているのでは? と感じてしまう。
とはいえ最初の数字はそのモデル用の基本シャシーを表すようであり、下一桁はボディ形状を表す数字のようだ。これ以上は複雑にならないでほしい。古くから知るものとしては、もう覚えられなくなってしまう!