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4WDのスズキ「キャリイトラック」をあえて2WDに! 走破性よりもカッコよさが大事です

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TEXT: 賀川真弥(KAGAWA Shinya)  PHOTO: 賀川真弥

  • ローダウンしたキャリイトラック

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  • ローダウンしたキャリイトラック

ローフォルムを追求するため豪雪地帯なのに2WD化

 仕事や生活の足として日本の社会になくてはならない軽規格。そのなかでも軽バンや軽トラは、昨今のアウトドアブームもあって、キャンプや遊びの足としてもカスタムユーザーに注目されている。

 そんななか、北陸の地、富山で3年ぶりに開催されたオフ会「TOYAMA K-truck Meeting」にて、4WDをあえて2WD化し、必要以外のパーツを削いだクールなキャリトラ(1991年式 DD51T型スズキ「キャリイトラック」)を見つけたので紹介しよう。

仕事用にもらったキャリトラだがカスタム心に火がつき……

 世界の都市と比較しても、負けず劣らず豪雪地帯として知られるのが富山だ。先日も北陸や中越地域にて、豪雪によるクルマの立ち往生がニュースに取り上げられていたのはご存知かと思うが、今回紹介するMさんのキャリトラもそんな豪雪に対応すべく、ベースは4WDだった。しかし、車高を落とすためにあえて2WD化したという。

「もともとは叔父さんの軽トラで、仕事のための足としてもらってきました。でもアオリをウッドに変えてからカスタム心に火がついてしまいました(笑)」

 そんなウッドのアオリも現在では取り外され、ベッドもトタン製のワンオフ品に変えている。2WD化にこだわり、ローダウンしたフロントの足まわりは、純正ショックにMC型スズキ「ワゴンR」用のバネを加工。アッパーのバネは「ミニキャブ」用で、アッパーマウントは加工して下げた。

こだわりのリアまわり

「団子のようなマウントは本来はアッパーマウントの下から挿入します。ですが、そこだけを抜いて上に持ってきて再度ショックを組むと、その分車高を落とせてショックストロークも稼げ、乗り心地も良くなります。ただ底付きしないってだけですけど(笑)」

 ベッドを外したことでリアフェンダー自体がなくなったことから、タイヤやホイールのサイズを大きくすることが可能となった。そのため、ホイールをBMW「ミニ」のオプションとなるBWAスポーク17インチに変更(サイズは7.0J×17インチ inset42、タイヤはブリヂストン ポテンザRE050・195/45-17インチ)。そのタイヤを剥き出しのままにはできないため、フェンダーはベース部分をワンオフ製作しつつ、トライク用を加工装着している。

あえてグレードダウンし「ポンコツスタイル」と呼ぶ

 バンパーはマットブラックにペイントした。

「黒バンパースタイルは、仲間の間で通称“ポンコツスタイル”と呼んでいます。ただ地元ではあまり受け入れてくれていません(笑)」

 下部に備えたプッシュバンパーは、ダイハツ「ミラジーノ」用を加工装着。旧規格に合わせてナンバー裏で丈詰めし、継ぎ目は見せない工夫を凝らしている。

 インテリアはドア内張りの凹みに合わせてモールを貼り、明るくオシャレな仕上げ。アシストグリップは綱仕様で、シフトノブはダイスを加工したオリジナルに変更した。ステアリングはセダンからスポーティクーペオーナーまで、長年人気を誇るナルディのウッドを選び、インパネ上部には、VW「ビートル」用の一輪挿しを流用する。

 また、ルーフにはブラックのプラダン(ダンボールのような形状のプラスチック板)をサイズに合わせて貼り込み、素材剥き出しとは違うプチグレードアップ感を演出している。座面には漫画『天才バカボン』のバカボンの頬のような、うずまき柄の座布団を手縫いした、シートカバー風アレンジも注目ポイントだ。また、背もたれ部の背面が真っ白だった部分をなんとかしたいと思い、ウッドのバーを装着。取り付けにはもともとあったヘッドレスト用のネジ穴を流用して止めている。

 こちらのキャリイは中学からの同級生2人組による作品になるが、30歳を超えても仲良くカスタムに邁進できるのはなんとも羨ましい限りだ。

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