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「AMGのSLが4気筒でいいの?」新型メルセデスAMG「SL43」はソフトトップへ原点回帰! プロドライバーお墨付きの「SL」らしさとは

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TEXT: 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)  PHOTO: 田村 弥

搭載するエンジンは2L直4ターボに

 最大の変更点は、搭載するエンジンが直列4気筒2Lになったことだ。コクパクトなボディをマルチシリンダーユニットと大排気量で走らせるのがSLの魅力だった。先代もV型12気筒6L、V型8気筒5L(後期型で5.5Lが追加)、V型6気筒3.5Lのラインアップだったが、それを思うといささか寂しい気もする。

 軽量ボディにはあきらかにトゥーマッチのトルクを組み合わせることの余裕と贅沢が、SLの生命線だと思えていたからだ。直列4気筒になったことで、ビロードのようなバイブレーションは消えてしまった。少々大衆的な感覚が残る。

SL43の走り

 ただし、ダウンサイジングはパワーダウンを意味しない。直列4気筒にはターボチャージャーが組み込まれている。しかもその過給器には、厚さ約4cmの電動モーターを組み合わせる。

 排気の圧力を利用してタービンを回転させ、その回転力で混合気を強制的に充填するターボチャージャーにはその構造上、排気圧が高まるまでにレスポンス遅れが生じる。電気モーターで強制加圧することで、その遅れがなくなったのである。2Lにもかかわらず、極低回転から力強い加速を見舞う。さらには48VのBSGを組み込んだマイルドハイブリッドとしている。動力性能に不満などあろうはずがない。

 フットワークは軽快だ。ヨー慣性モーメントが少ないから、軽やかに走る。足まわりも適度に緩やかな設定のため、攻撃的にコーナーを攻めるような素振りはない。しっとりと湿度感のある操縦フィールなのである。というあたりも伝統で、70年前からまったくぶれていない。

試乗を終えた木下隆之さん

■メルセデスAMG SL43(BSG搭載モデル)
・全長×全幅×全高:4700×1915×1370mm
・ホイールベース:2700mm
・トレッド(前/後):1660mm/1625mm
・車両重量:1780kg
・乗車定員:4名
・最小回転半径:6.1m
・エンジン:M139 直列4気筒ターボ+電気モーター
・総排気量:1991cc
・最高出力:280kW(381ps)/6750rpm
・最大トルク:480Nm(48.9kgf・m)/3250-5000rpm
・電動機種類:スイッチトリラクタンスモーター(EM0025)
・駆動用電動機の定格出力/最高出力:8/10
・トルク:58Nm(5.9kgf・m)
・タイヤサイズ(前/後):265/40R20/295/35R20
・ブレーキ(前/後):ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
・サスペンション(前/後):マルチリンク式/5リンク式
・車両本体価格(消費税込):1648万円

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  • SL43の走り
  • ソフトトップを採用した新型SL43
  • 試乗を終えた木下隆之さん
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  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 木下隆之(KINOSHITA Takayuki)
  • 1960年5月5日生まれ。明治学院大学経済学部卒業。体育会自動車部主将。日本学生チャンピオン。出版社編集部勤務後にレーシングドライバー、シャーナリストに転身。日産、トヨタ、三菱のメーカー契約。全日本、欧州のレースでシリーズチャンピオンを獲得。スーパー耐久史上最多勝利数記録を更新中。伝統的なニュルブルクリンク24時間レースには日本人最多出場、最速タイム、最高位を保持。2018年はブランパンGTアジアシリーズに参戦。シリーズチャンピオン獲得。レクサスブランドアドバイザー。現在はトーヨータイヤのアンバサダーに就任。レース活動と並行して、積極的にマスコミへの出演、執筆活動をこなす。テレビ出演の他、自動車雑誌および一般男性誌に多数執筆。数誌に連載レギュラーページを持つ。日本カーオブザイヤー選考委員。日本モータージャーナリスト協会所属。日本ボートオブザイヤー選考委員。
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