「ポラリス」の公道仕様量産モデル「レンジャーXP1000TR」が発売
ATV(全地形対応車)やスノーモービルの分野で米国トップシェアを誇るのが「ポラリス(POLARIS)」社だ。株式会社ホワイトハウスの子会社、株式会社TCLは日本の総代理店として、これまでも国内のレジャー施設や消防などにポラリス製ATVを販売してきた。そして2022年12月、ついに一般コンシューマー向けの公道仕様量産モデル「「RANGER(レンジャー)XP1000TR」が販売開始となった。
消防レスキュー車両としても活躍
日本ではなじみの薄いポラリス社だが、ATVをはじめオフロードビークル、スノーモービル、さらには3輪スポーツカー「スリングショット」まで手がけているメーカーで、米国では非常にメジャーな存在だ。
本邦でもポラリスのATVは多くのレジャー施設に導入され、三重県にあるレジャー施設「ホワイトハウスヴィレッジ・バギーパーク」では、4000坪の大自然を駆け抜けるアクティビティ車両として活躍している。また、クローラー装着モデルもスキー場や豪雪地帯の観光施設で見ることができる。
また、泥濘地、急傾斜地、浸水地などあらゆる地形を走破できることから、2020年4月には東京消防庁の即応対処部隊へ全地形活動車としてポラリス・レンジャーが納入。おもに情報収集や救助活動の初動対応、後続隊の進入路確保のための車両として配備され、2021年7月の熱海市伊豆山土石流災害ではいち早く現地に駆けつけ、急勾配や瓦礫、ぬかるんだ道等で自在に走れる緊急消防援助隊として活躍している。
森林、泥濘、砂地、そして雪山、あらゆる地形を走破
今回販売開始となったのは、このレンジャーの公道仕様量産モデル「レンジャーXP1000TR」だ。悪路だけでなく公道を走れるATVとして、日本で新たなニーズを開拓するという。
ボディサイズは全長3050mm×全幅1580mm×全高1960mmのコンパクトさで2名乗車のピックアップスタイル。999ccの2気筒DOHCエンジンを搭載し、量産モデルでは3つのアップグレードを施している。暗い場所での性能をアップさせるLEDヘッドライト、電子制御エンジンブレーキ、そしてヒルディセントコントロールシステムだ。
オンデマンド式のAWD(全輪駆動)システムを搭載し、サスペンションストロークは28cm。水深70cmまで走行でき、傾斜角30度~35度まで対応するので岩場やガレ場も登れるほどのスペックを誇る。さらに、純正オプションとして用意される4輪クローラーシステム装着車両であれば、氷点下35℃、標高3800mの高地で積雪2mの状況でも走行性能を発揮できるそうだ。
ポラリスATVに公道で乗るための免許は?
公道仕様のポラリス・レンジャーXP1000TRを日本国内で登録する際は、大型特殊免許が必要な9ナンバーとなる。普通免許をもっている人なら、教習所や合宿などにて約10万円~13万円程度で大型特殊免許を取得できる。なお、ルーフもドアもフロントガラスも無い状態でも登録可能とのことだ。
レンジャーXP1000TRの本体価格は655万4130円(消費税込)で、ディーラーオプションのフロントスクリーン、ワイパー、ルーフを含んだ価格。登録諸費用は別となる。税金に関しては、自動車税、環境性能割、重量税の対象外だが、法人が取得した場合は固定資産税の対象になる。車検は初回から2年車検だ。
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ATVの走りを一番楽しめるのは当然オフロードコースだが、積車なしで自由にフィールドへ移動できるのは大いに魅力的だ。アクティブな遊び人の相棒として活躍してくれることだろう。もちろん、街中を走れば目立ち度もマックスだ。