E30 M3だけのオーナーズクラブ
2022年10月10日スポーツの日に、本庄サーキットで「E30 M3 CLUB」主催のE30M3走行会が開催された。1985年のデビューから数えれば40年近い歴史を持つクルマだが、走り好きのオーナーが多いということもあって、手を入れるべきところには手を入れ、いまでも本気でサーキット走行を楽しんでいた。
今回はそんなM3走行会にお邪魔して、オーナーと愛車を取材させていただいた。どの個体を見てもオーナーの想いが伝わってくる、熱いものばかり。それでは早速、紹介していこう。
32年続くM3愛
このM3に乗りはじめて、すでに32年目という海老名 潤さん。もともとオートバイが好きで、BMW「R100RS」にも乗っていたし、いまはハーレーダビッドソンのソフテイルとの2輪ライフも愉しんでいるそうだが、同時にこのM3では、平均すると年間で5000km程度走っているそうだ。
現在の総走行距離は14万4000kmとのこと。2輪と4輪をともに所有し、街乗り車はほかにありながら、その上でM3でも5000kmも走っているというのは、身体がふたつあっても足りないのでは、と思えるくらい。なぜ、そこまでこのM3に惚れ込んでいるのだろうか。
海老名さんにとってM3は、クルマなのに、オートバイ的な愉しさがあるもの、なのだそうだ。
「快適、ではないです。いまのクルマと比べるとはっきりとアナログですし、エアコンの効きもよくない。乗り心地だっていいわけじゃないし、壊れる可能性だってあります。しかしそんなアナログで手がかかるところが、いいじゃないですか」
「そりゃね、長距離を走ると疲れますよ。クルーズコントロールがあるわけじゃないですしね。でも、このちょうどいいサイズ感とか、サーキットを走って問題が起きないつくりかたとかは、やはり魅力に感じます」
「なんというか、M3にはオートバイ的なところがあると思うんです。こうやって仲間と一緒に、ああでもないこうでもないと話せるところもそうですし、乗っていて疲れるんだけどそれが心地いいところとか、走りにしても自分で操作しているという感じが、オートバイ的ですね」
◎BMW LIFE (af imp LIFEシリーズ) (CARTOP MOOK)
いつでも出撃オッケー
普段このM3は、ハーレーと一緒にガレージに入れているそうで、そのときにはボッシュ製のバッテリーチャージャー、C7を接続しているそうだ。そのため、長期間乗っていなくても、乗ろうと思ったときにはすぐにエンジン始動が可能。特別な儀式なしで走り出せることから、かえって使いやすくなっている。
カスタムポイントは、自作のデカールが大きなポイント。これは個人向けの小さいプリンターを使ってつくったものだそうで、大型デカールはパーツごとにプリントをして貼り合わせて仕上げている。また、ボンネットはバリス製のカーボン。ブレーキローターはAMSで装着してもらったストップテック製ドリルドで、ホイールはニーズ・フォージド。タイヤはポテンザRE-070(215/40R17)を履いている。
インテリアにはレカロ・ラリースペシャルをベースにファブリックを張り替えたシートを装備。ステアリングにはMOMOギブリをセット。エンジンルームではヘッドカバーやインダクションボックスを白色をベースにペイント。
排気系はスポーツキャタライザーに加えてセンターパイプを自作し、テールエンドはチタン製としたものをセットして仕上げている。
「こうやってM3に乗っている仲間と集まるようになって、もう30年になります。さすがに最近では、M3を手放してしまった人もいますが、それでもまだまだ乗り続けている人が多いというのは、うれしいですね。仲間内で情報交換をしながら、これからもM3での走りを愉しんでいきたいと思っています」
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今回、取材にお邪魔した「E30 M3 CLUB」の走行会の当日の様子とE30 M3オーナーをまとめたムック『BMW LIFE』は、2023年1月31日に発売予定です。