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販売店に聞いた三菱「デリカD:5」の人気の理由とは? 売却時でも高値がつくので何台も乗り継ぐオーナー続出です

2022年11月に登場した最新の特別仕様車「D:5 JASPER」

オフロード系ミニバンという唯一無二の存在感

 三菱の「デリカD:5」は、フルモデルチェンジをせずに高い人気を保つクルマの代表だ。現行型の発売は2007年1月だから、すでに16年を経過するが、新車の登録台数はほとんど下がらない。

 直近の2022年1~11月には、新型コロナウイルスの影響も受けながら、1カ月平均で1400台を登録した。コロナ禍前の2019年が約1700台だから、堅調な売れ行きだ。三菱の小型/普通車では、設計の新しい「アウトランダー」と並ぶ売れ筋車種になる。

本格4WDの悪路走破力をそなえる圧倒的タフネス

 デリカD:5がアウトドア派を中心に高く支持される背景には、複数の理由がある。まずは外観がSUV風で、駆動方式も全車が4WDを搭載するから、悪路走破力が高い。最低地上高は185mmを確保して、悪路のデコボコも乗り越えやすい。4WDにはロックモードが備わり、前後輪に駆動力を配分する多板クラッチの締結力を強めることで、悪路走破力をさらに向上できる。

 実際にアウトドアに出かけると、未舗装路が降雨の後で泥道になっていたり、少し大きな段差を乗り越える場面もある。特別な悪路ではないが、2WDではスリップして立ち往生したり、最低地上高が低いとボディの下側を擦ったりする。デリカD:5は、このような心配を払拭してくれるのだ。

 またフロントマスクは、アウトランダーなどと共通のダイナミックシールドのデザインだから、SUVのカッコ良さも楽しめる。とくに今はSUVの人気が高いから、デリカD:5の外観も堅調な売れ行きの秘訣だ。

国産では希少なディーゼルエンジンを搭載するミニバン

 パワーユニットにも特徴があり、2013年からディーゼルターボエンジン搭載車も販売されている(現行型はディーゼルのみ)。国産ミニバンのディーゼルは少数派で、今でもデリカD:5を除くと、トヨタ「グランエース」があるだけだ。

 そして現行デリカD:5のディーゼルは、実用回転域で、3.5Lのガソリンエンジンに匹敵する駆動力を発揮する。多人数で乗車しても動力性能が影響を受けにくく、悠々とした運転感覚はSUV風の性格にも合っている。使用燃料が軽油とあって燃料代も安いのもありがたい。

 居住性も快適だ。身長170cmの大人6名が乗車したとき、2列目シートに座る乗員の膝先空間を握りコブシ2つ分に調節すると、3列目の膝先には握りコブシ2つ半の余裕が生じる。トヨタ「ノア&ヴォクシー」やホンダ「ステップワゴン」よりも広く、3列目シートのサイズも十分に確保したから、全長が4800mm以下のミニバンではデリカD:5の居住性は最も快適だ。このようにほかのミニバンでは得られない特徴が多い。

中古でデリカD:5を探すときのポイントは?

 デリカD:5の人気について、販売店は以下のように説明した。

「デリカD:5は、SUVの走破力を備えた唯一のミニバンです。中古車市場でも人気が高く、高値で売却できるため、デリカD:5を何台も乗り継ぐお客さまも多く、好調な売れ行きが保たれています。ドレスアップパーツなどが豊富で、購入後に楽しめることもデリカD:5のファンを増やす理由になっています」

 デリカD:5は2019年に規模の大きな改良を実施したが、それ以前の6年落ちになる2017年式でも、中古車価格を見ると300〜320万円で販売される車両が多い。値落ちが少なく、高値安定型だ。

 したがって中古車を買うときは割高に感じるが、販売店では「デリカD:5は人気車だから、古い車両でも手放すときには価格が付く」という。購入時には割高でも、トータルで見ると損失が少ない。

 それでも予算を超過するときは、2.4Lのガソリンエンジン車も検討したい。ディーゼルに比べると人気が下がり、2017年式が280万円前後で販売されている。

 さらに価格を安く抑えたいなら、2Lエンジンの2WDもある。8年落ちの2015年式なら、中古車価格は200万円前後だ。4WDに比べて悪路走破力は下がるが、最低地上高には余裕がある。ミニバンの実用性も高く、外観もカッコイイ。

 デリカD:5は16年間も造り続けているから、過去にはいろいろなグレードが用意され、中古車の選択肢も幅広い。用途と予算に応じて購入できるのである。

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