サイトアイコン AUTO MESSE WEB(オートメッセウェブ)

エアコンもパワステも捨てたBMW「M3」はファーストカー!? 本当に普段遣いできるのか秘訣を聞いてきました

サーキットを走る姿がもっとも似合っているE30 M3

E30 M3は、走らせてこそ真価がわかる

 2022年10月10日スポーツの日に、本庄サーキットで「E30 M3 CLUB」主催のE30M3走行会が開催された。1985年のデビューから数えれば40年近い歴史を持つクルマだが、走り好きのオーナーが多いということもあって、手を入れるべきところには手を入れ、いまでも本気でサーキット走行を楽しんでいた。

エアコンなし、パワステなしにした理由は?

 E30M3のオーナーであり、競技の世界ではラリーのコ・ドライバーでもある松本さん。もとはといえば、ドライバーにお願いされて始めたラリーのコ・ドライバーだったが、ペースノートを読んでいるうちに、運転したいと思うようになったそうだ。

 そこで今回は、走る愉しさを思い出しつつ、自身のスキルがなまっていないかどうかを確かめるべく、M3走行会に参加をしたそうだ。といっても、ラリーに出場を予定しているのは別の車両で、このM3で出場するというわけではない。

 ラリーにM3で出場するわけではないのだが、その仕上げはレーシングカーのような感じとなっている。1987年モデルのM3は、リアシートを外した2名乗車となっていて、エアコンレス、パワステレスというスパルタンな仕様にされていた。正直、エアコンなし、パワステなしというM3は、普段遣いできるのだろうか。

「エアコンのほうは窓を開けて我慢するしかないんですが、パワステは意外に大丈夫ですよ。実際には、いいや外しちゃえって、勢いでパワステレスにしたのですが、ステアリングのギア比とかが違う、いわゆる重ステラックに交換したら、存外問題なく乗ることができました。このクルマでのサーキット走行は年に3〜4回というところですが、クルマはこれしか持っていないので、この状態でなんにでも使っています」

 現在の走行距離は22〜23万kmといったところだそうだが、これまでにエンジンのオーバーホールを一度おこなっている。そのときにカムシャフトをエボ2用に交換し、ピストンは純正オーバーサイズ(φ93.755)として用意されている最大のものとしたそうだ。

「オーバーサイズピストンを入れているので排気量はわずかに増えていますが、その部分での違いは正直わかりません。ただ、カムを換えているので高回転の伸びはいいですね」

◎BMW LIFE (af imp LIFEシリーズ) (CARTOP MOOK)

サーキット走行に焦点を当てたコックピット

 そのほかのカスタムポイントは、外装ではカーボンボンネットやはめ殺しとしたサンルーフ、ウイングのフラップなど。サンルーフは軽さを求めて、現在の仕様になった。

 また、サイドウインドウにはバイザーが付いているが、これは「バイザーがないと雨の日に窓を開けられないので」という理由から装備したもの。エアコンレス車ならではの装備といっていいだろう。またホイールは、E38型7シリーズ純正品をセットし、タイヤはポテンザRE-71RS(225/45R16)をセットしていた。

 インテリアではスタック製のメーターとOMP製ディープコーンステアリング、ゴルフボール型シフトノブ、サーキットアタックカウンターなどが目立つ装備。シートはレカロのSP-Gを運転席に、A-8を助手席にセットしている。

「このM3を買う前は、ルノーのルーテシアに乗っていました。しかしルーテシアは、アンダーステアがきつくて、そこが面白くないポイントでした。そこから乗り換えたM3は、とても愉しいです。エアコンレスやパワステレスは、ほかの人にはおすすめしませんが、そこまでしなくてもサーキットで存分に走りが愉しめます。そういうところに、レースに勝つためにBMWがつくったクルマである、ということが感じられますね。それこそエアコンが機能していてパワステがあれば、買い物や通勤も含めて、これ1台で問題なく生活できると思います」

◎BMW LIFE (af imp LIFEシリーズ) (CARTOP MOOK)

モバイルバージョンを終了