90年代の「80スープラ」も今やネオクラシック世代
2022年11月20日に富士スピードウェイで開催された「スープラ全国ミーティング2022」。歴代トヨタ「スープラ」のみのイベントとして、全国からさまざまなスープラとオーナーが参加した。形式ごとに整然とスープラが並べられた会場にはチューニングメーカーやショップのブースが出展されたほか、ヘリテージパーツのトークイベントや盗難防止セミナーなども行われた。そんな会場から、熱いスープラ愛を感じさせてくれるオーナーと愛車を紹介しよう。
YouTubeの魔改造マシンで80スープラに惹かれる
2021年の6月に1994年式、JZA80型「スープラGZ」を手に入れたという、「JZA80SupraGZ(以下GZ)」さん。取材時22歳のGZさんが1993年にデビューし2002年には販売が終了した80スープラに興味を持ったのは、『ニード・フォー・スピード』や『グランツーリスモ』などのゲーム、映画の『ワイルド・スピード』、そしてYouTubeだったそうだ。
「YouTubeで魔改造した80スープラを見て、こんな見た目がかわいらしいクルマが、モンスタースペックな性能を発揮してるのを見て憧れてしまいました」
ということで、インターネットなどで80スープラを探し始めたGZさん。最終的には80の中でも比較的購入金額が抑えられる、当時最上級グレードだった「GZ」を購入した。ちなみにGZさんにとって80は初めてのクルマ購入で、写真を見てもらえば分かると思うが、ほぼノーマルに近い状態の個体、当初の憧れのカスタムモデルではなく、なぜこのクルマを選んだのだろうか。
「私自身クルマに詳しくなくて、ノーマルを買っておけばディーラーの方でみてもらえるだろうって思ってたんですよ。実際は、街のクルマ屋さんでみてもらってるんですけど(笑)」
不具合が出ても他のクルマにはない魅力がある
ところで人生で最初に購入したクルマが30年近く前のクルマだったGZさんにとって、最初に運転した感想と、憧れから実際に所有してみての感想はどんなものだったのだろうか。
「思った以上に乗り心地が良くてびっくりしました。父親がスバル・インプレッサに乗っていて、それに比べると良い意味で固い感じがないんで、高速道路もラクで乗っていて楽しいです。
購入した当初はとくに問題は無かったのですが、ミラーのモーターなど電装系に不具合が出て、コンピューターはリビルト品に交換しました。ほかの人と比べるとそうでもないとは思いますが、それでも旧いクルマなんでアンダーカバーが劣化して割れてしまったり、修理代とかでお金はかかってる感じですね。でも、ほかのモデルに買い替えたくない、っていう魅力があるクルマです」
キレイなまま、できるだけ乗り続けたい
ひと通りネオクラ旧車の洗礼を受けたGZさんだが、今後の80との付き合い方はどうなっていくのだろうか。
「世の中がEVにシフトしていくなかで、できる限り乗り続けたいなっていうのがあります。80が好きで購入したので、いかにキレイなままで乗り続けられるかですね。でも、純正部品が手に入らなくなったら、ふっきれて魔改造しちゃおうかなって(笑)」
今乗っている80に対して不満は? と問いかけた際、「とくにないです」と答えた横でほかのマフラー交換ずみの参加車両がエンジンをかけると、「やっぱり静かすぎることですかね」と笑いながら答えたGZさんの笑顔も印象的だった。