6月2日 クレーターレイク国立公園
前日、クラマスフォールズのRVパークに1泊し、一路クレーターレイク国立公園を目指した。リムビレッジに着いてみると、本当に雪の中であった。ビジターセンターもその日(6月2日)からオープンしたばかりで、リーダーらしい女性レンジャーがヒステリー気味にスタッフに指示を出していた。レストランもギフトショップも雪に埋もれたままの営業だ。
当然、トレイルも雪の中だ。ビレッジから延びる1マイル(1.6km)のディスカバリー・トレイルは、初心者向けの人気コースだが、これを歩くのに1時間以上かかってしまった。ただ、ジェシが言うように、ほかにハイカーはほとんどいない。絶景を見下ろすポイントを独り占めにした快感は至福だった。
遅い日没までのんびりと空を眺める
キャンプ場もクローズだったため、麓にあるキャビンを予約しておいた。1泊160ドルという、今回の旅のなかでは最高級の宿だ。リムにあるロッジに泊まれば、夕景や夜景をその場で見ることができるのだが、こちらは250ドルと手の届かない金額だった。
一度、チェックインするために麓に戻ったが、キャビンにいても退屈なだけだ。レストランで夕食を済ませ、夕景を撮影するためにふたたびリムに登った。夕景といっても暗くなり始めるのが午後8時半くらいで、10時近くまで薄明るい。リムにのんびりと佇みながら、雲が劇的に染まっていく様子を見届けた。
本当はそのままスターゲイジング(星空見物)もしていこうかと思ったが、駐車場は真っ暗になり、止まっているクルマもほとんどいなくなった。シャスタでの怖い記憶がよみがえり、適当なところで切り上げてキャビンに引き返すことにした。
なお、「ドル」はリムへの急坂を難なく2度、登り切った。オーバーヒートの不安は、この時点できれいに払拭された。
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