FDらしさを残したところがポイント
長大なテールとウイングがクジラを連想させることからモビー・ディックと名付けられたポルシェ935。このデザインをうまくFD3S RX-7に落とし込むために、フロントはロングノーズを強調する形でバンパーを大幅に延長、さらに、よりフラット感を出すために、ラウンド形状のFD3Sのボンネットを交換し、フラットボンネットを新たに製作し取り付けている。
リアも延長してあるので、全長は前後合わせて約1mほど長くなったというから驚きだ。また、シルエットという名のフルカウルスタイルを表現するフェンダーの出幅はフロント50mm、リア70mmの設定。グループ5・ポルシェレーシングを象徴する左右埋め込み型の大型フォグにマーシャル889ドライビングランプを使っているのが面白く、いかにもリバティーウォークらしいヤンチャな悪ノリといえる部分だ。
苦労した点をあげればきりがないらしいが、とくに意識したのはロングノーズカーとしてフロントを伸ばす際に、面長になりすぎないバランスを見極めながら、後方へ流れるようにデザインをうまく繋げ、その形状をどれだけポルシェ935モビー・ディックに近づけられるかという点に尽きるという。
また、市販化キットであるがゆえに、これだけのワイドボディでありながらも燃料の給油口は純正同様に作っているのもポイント。さすがに安全タンク仕様というわけにはいかないので、このあたりもストリート仕様として作り込まれている。
サスペンションはイデアルのエアサスペンションをセット、より低く下げられるように前後ともアーチ上げとインナー加工を施している。エンジンについては、パイピング等を磨き込んで魅せる仕様としてリメイク。本体は純正サイドポート仕様だが、タービンのみ交換し、チューニングはREスギヤマが担当して行ったそうだ。
長く伸びやかなスタイリングがとても印象的でカッコよく仕上がっているが、特徴的なヘッドライト、ダブルバブルルーフやリアゲート、そしてテールなどベースとなるFD3S RX-7の面影を残しながら、コンセプト通りの大胆な仕上げはお見事というしかない。
このRX-7をSNSで見た人物から依頼があり、すでにボディキットは3台分のオーダーが入ったという。ボディキット価格は249万5900円。基本的に受注生産になるので興味のある方はぜひ問い合わせしてもらいたい。