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ほぼほぼオリジナル「ケンメリGT-R」が存在した! 168番目の個体はあえて当時のままで動態保存されています【東京オートサロン2023】

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典

今後もリペアなどせずにオリジナルを保つ

 前後オーバーフェンダー、専用ラジエターグリル、リアスポイラーなどを装備していたケンメリGT-Rは、自動車趣味人の間で“幻のGT-R”と呼ばれているが、それはKPGC110型スカイライン2000GT-Rがわずか197台しか生産されなかったからだ。発売当初に期待されていたレーシングバージョンは、結局コンセプトカーが発表されたのみで登場しなかったことでも有名である。

 幻のGT-Rとなってしまった理由は、一般的にフロントに搭載していたS20型エンジンが昭和48年排出ガス規制に適合しなくなったためだといわれているが、S20型エンジンの在庫数が197台分だったから少量生産になったという噂も……。

 S20型エンジン用のソレックスキャブレターが197台分だけ残っていたからその生産台数になったという説もある。自動車の歴史を辿ると、厳しい排出ガス規制により、名機を積んでいる国産スポーツカーが次々生産終了となってきたが、ケンメリGT-Rも登場したタイミングが悪かった不運のモデルだといえるだろう。

 CREWCHのケンメリGT-Rは、鉄製グリルが錆び、エンブレムの塗装が剥がれてきているが、リペアすることなく、あえてそのままにしている。エキゾーストマニホールドやエアクリーナーボックスも交換しがちだが、それらも変更することなく往時のパーツを遺し、各部をオリジナル状態のままにしているのだ。

 来年の東京オートサロンにおいても、国産スポーツカーの国内保存を目的としたコレクションを形成しているCREWCHが貴重なクルマを披露してくれるだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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