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「ハコスカ」をフルドライカーボンで作っちゃいました! 「ハコスカーボン」誕生の裏にある想いとは

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典

3代目のスカイラインとは

 プリンス時代からスポ-ティなファミリーカー/ツーリングカーの代名詞的存在として親しまれていたスカイラインは、1968年のフルモデルチェンジで3代目に進化。日産とプリンスの合併後にリリースされたこともあり、車名からプリンスの名が外されたが、プリンスの社内でデザインされたといわれる流麗な“サーフィンラインのボディ”およびプリンスが生み出した傑作エンジンのG15型(直列4気筒OHC)を搭載していることなどで注目を集めた。

 サーフィンラインとは、3代目スカイラインのスタイリング上の大きな特徴となったフロントホイールアーチ後方からテールまでのボディサイドを走る彫刻的なプレスラインのことだ。ハコスカーボンも、このサーフィンラインをしっかり踏襲している。

レーシングスペックだったS20型エンジン

 S20型エンジンについても記しておこう。セダンらしからぬ高性能を発揮し、ハコスカは一躍人気モデルの仲間入りを果たすことになったが、そのような状況の中で日産スカイラインにプリンス時代に持ち合わせていた独特のドライブフィールおよび築き上げた名声の付与を求める声が次第に高まっていく。そして、日産はかつてS54時代に一世を風靡した2000GTの性能とネーミングを再びスカイラインに与えることを決意した。

 しかし、搭載されたエンジンがS54時代に勇名を馳せた名機G7型ではなく、日産のL20だったこともあり、熱狂的なスカイラインファンの多くは2代目2000GTのことを長距離をハイアベレージでコンスタントに走れるGTとしての性能は優れているもののマイルドすぎると酷評。第2回日本グランプリでポルシェ カレラ904に食い下がった、あのスカイラインGTのイメージを受け継いだ2000GT-Bの再来をストレートに望むようになった。

 そういった期待に応え、日産から送り出されたクルマこそが、プリンスが開発したプロトタイプレーシングカーであるR380用のGR8型エンジンをベースとした、S20型を搭載したスカイライン2000GT-Rであった。ハコスカーボンは、サーフィンラインとS20型エンジンという、3代目スカイラインの2大ポイントをしっかり押さえており、熱心なファンも納得の完成度を誇っていた。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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