ブレーキはブレンボキャリパーで正解
筆者はこの990Sに乗る前、ひとつ疑問に思っていたことがありました。それは大型のブレンボキャリパー。軽量や軽快感を売りにするグレードなら、バネ下重量が重たくなるビックキャリパーは必要ないのでは? と感じていました。しかし、実際に運転してみると「ブレンボキャリパーで正解」と実感。
その理由はブレーキタッチがものすごく気持ちいいからです。パッドとローターが触れた瞬間が伝わってくるようなブレーキタッチですが、一番感動したのはブレーキを抜いていくときです。徐々にパッドとローターが離れていくのがリニアに足裏に伝わってきます。ブレーキでここまで気持ちいいと感じたのは初めての体験。これならばより繊細な荷重移動のコントロールができますし、純粋に運転を楽しむにもピッタリの装備だと強く感じます。
自分にはまだ早いかも……
今回の990Sの試乗を振り返るなら、気持ちよかったのひと言です。あらゆるシチュエーションで運転が楽しい990Sでしたが、普段は固めたサスペンションのNBロードスターでサーキット走行を楽しんでいる筆者としては「これはこれで良いけど自分にはまだ早いかも」というのが正直な感想です。NDロードスターにもし乗り換えたとしてもサーキットに行きたくなってしまう年齢なので(25歳)、サーキットベースということを考えると、NR-AやSスペシャルをベースにカスタマイズするのが今の自分には合っているなと感じました。
自身がもっと年齢を重ねて、肩ひじ張らずに運転を楽しみたいと思ったとき、990Sという選択はピッタリだと思います。990Sはそんなアガりの1台としてとっておきます。