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ログハウスの「共同所有」にはご注意! せっかくキレイにした山小屋に不法投棄のごみの山が【おとなの山遊び Vol.1】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

  • ジムニーと山小屋

  • 張り替えたウッドデッキ
  • ジムニーと山小屋

コロナ禍によりスタートさせた山遊び

 コロナ禍でライフワークのアメリカ旅行もできず、少しストレスが溜まりかけていた2020年の春。知人から「山奥に共有のログハウスがある。修理して使わないか?」という、自然に近い暮らしがしたくて首都圏から東北地方へ戻ったばかりの自分にとって、行動制限のフラストレーションを吹き飛ばすようなお誘いがあった。

共同所有の洗礼を受ける

 もちろんふたつ返事で承諾して現地を視察すると、長年にわたり放置されていたため荒れてはいるものの、誰の目にも触れにくいなど立地条件は完璧だ。休みのたびに通ってログハウスに溜め込まれたゴミ、また潜り込んだ大量のカメムシも処分してキレイに。腐って穴が開きそうなウッドデッキまで張り替えた。

張り替えたウッドデッキ

 幸いにして集まる人たちも気さくな人ばかりで、聞くとココでの山遊びが始まったのは四半世紀前。当時のメンバーは顔を合わせたことすらない人も多く、現在はそれより若い40~50代がメインとのことだ。新参の自分には関係ない話と聞き流していたが、すぐに「共同所有」のトラップに陥ってしまう。

 あるとき現地へ到着すると入り口の付近に廃材が山積みされ、ログハウスの外には何故か大量の布団が雨ざらしになっている。そしてウッドデッキの下にはビールの空き缶が散乱。もちろん犯人は一緒に作業した人ではなく、掃除の手伝いにも顔を出していない誰かだ。

 古参のみなさんは心当たりがあるそうだが、人柄を知っているようで「言ってもムダ」と。結局はその事件がきっかけで情熱が雲散霧消し、せっかくの開拓団は自然と解散してしまった。自分も時間と労働力こそ使えど大してお金は注ぎ込んでおらず、また知らない人を探し出して現場復帰させるほどの意欲はなく。だからといって他人が不法投棄したゴミを片付けるほど奉仕の心もない。

山遊びに再チャレンジできるチャンスが舞い込む

 ごく短い間ではあるが楽しい遊びだったな、と思っていたところ別の知人から魅力的な提案が。似たようなロケーションの土地を持っており、今は単なる雑木林で何十年も放置しているが、そこを自分の好きなように使っていいよと。

 提案者自身には山林を切り開くほどの情熱はなく、かといって使わないのもムダだし売る気はない。大掃除で集まったメンツのなかで筆者が最年少、かつ「大切に管理してくれそう」とのことで、恐縮しつつも快く受けさせていただいた。

 実際に足を運んでみたところ環境は最初の場所に負けず劣らず。それならイチから開拓して「パラダイス」を作り上げるのも楽しいじゃないか。しかし自分ひとりでは到底ムリ。誰かしら似た志を持つ仲間を誘う必要があるものの、共同所有ないし共同管理の欠点は痛いほど知った。

 それに自分が音頭を取るならデイキャンプだけではなく、住むとは言わずとも快適に泊まり込めるようにしたい。目指すはアメリカで暮らす友人が故郷のノルウェーに所有している、湖畔に親族それぞれが建ててバカンスを過ごすタイニーハウスだ。決して広く開放するキャンプ場を作りたいワケではなく、誰それ構わず招待して遊んでもらうための場所とも違う。

* * *

 使い古された言い回しだが「大人の隠れ家」で、同じ轍を踏まないためにもルール作りが大切である。というわけで次回は最初に決めた規則と仲間を募る難しさ、そして開拓を始めた当初の模様や苦労を振り返ってみたい。コロナ禍で山を買うのがブームになっていると聞く。資金や労働力を考えるとひとりでは不安だろうし、誰かを誘いたい気持ちは痛いほどよく分かる。ただし安易な「共同」は絶対にやめるべき、というのが先の失敗で学んだ大きな教訓だ。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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