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どうして「Gノーズ」に憧れる? カッコイイだけでなく最高速も伸びた「フェアレディ240ZG」の美車が幕張に現る!!

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典

クルウチ博物館からフェアレディ240ZGが展示

「世界に誇れる名車だからこそ国内に遺したい」。国産スポーツカーの国内保存を目的として、クルウチ博物館を展開しているCREWCHは、車両の販売からメンテナンス、カスタム、チューニングまでを手がけているスペシャルショップだ。三重県明和町に本拠を置き、クルマ好きをトータルバックアップしている。

 東京オートサロン2023では、自社にてコレクションしている往年の国産名車たちを披露したが、1972年式のフェアレディZ 240ZGもその中の一台だ。一緒に展示されたケンメリやフェアレディZ 432と同じように外装こそお色直しされているが、その他の部分は基本的にオリジナルのままで、240ZGでノンオリジナルとなっていたのはレッドのエンジンヘッド、ステアリングホイール、運転席のバケットシートぐらいのものであった。

Gノーズは高性能の証だった

 フェアレディZの輸出専用モデルとしてデビュー当初から生産されていた240Zは、1971年11月から国内でも販売されるようになった。その240Zシリーズの最上級モデルとしてラインナップされたのがエアロダイナノーズを持つ240ZGである。

 ダットサン フェアレディ2000がそうであったように240Zも北米市場において数多くのファンを獲得。ダットサン240Zのネーミングで、スポーツカーファンに親しまれることとなった。アメリカの広々とした大地を疾走するため、240Zには150psという最高出力が与えられていたが、そのような魅力的なスペックを持つフェアレディZの存在は国内のファンにもすぐさま知れるところとなり、カタログモデルとして設定、販売することを願う声が日産に多数寄せられることとなる。

 その声に応えて国内販売が開始された240Zシリーズは、回転数を上げなくてもハイパワーおよびビッグトルクを享受できるそのエンジン特性が山坂道が多い日本の地形にもマッチ。プラス400ccの余力をシチュエーションを問うことなく愉しめた。

 240Zよりも190mmも長いノーズおよびアクリル製ヘッドライトカバーを持ち、空力特性に優れていた240ZGは、210km/h(240Zは205km/h)という最高速度を実現。最上級グレードに相応しい動力性能を披露した。アメリカから送られてきた「横風に弱い」というレポートをもとに製作されたといわれるエアロダイナノーズは、ファンの間でGノーズまたはグランドノーズなどと呼ばれ、装着することによって車両重量が5kg増しになったにもかかわらず最高速度アップに貢献したのであった。

 240ZGに高速走行時の安定性をもたらしたGノーズは、ファッション性も高かったといえ、FRP製オーバーフェンダーとの相乗効果もあって数多くのファンを魅了した。いま見てもカッコイイ240ZGは、後世に遺すべき名車中の名車だ。

 ちなみに、東京オートサロン2023の初日がオープン日となったクルウチ博物館は300坪の倉庫が4棟ぐらいあるという規模で、敷地面積は8反(2400坪)なのだという。見学方法は事前予約と知り合いの紹介ということになるが、詳細についてはクルウチに問い合わせてみてほしい。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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