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日産「フェアレディZ 432」の当時モノを発見! ベーシックの約2倍もしたクルマはどんな内容だった?

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典

当時の状態を知ることができる貴重な1台

 国産スポーツカーの販売からメンテナンス、カスタム、チューニングまでを手がけているCREWCH(三重県明和町)は、クルマ好きをトータルバックアップしているスペシャルショップだ。「世界に誇れる名車だからこそ国内に遺したい」という想いのもと、国内保存を目的としてクルウチ博物館を展開している。東京オートサロン2023において自社でコレクションしている往年の国産名車たちを披露した。

 1970年式のフェアレディZ 432もその中の一台で、一緒に展示されていたケンメリや240ZGと同じように塗装だけはやり直されていたが、その他の部分は新車当時の状態を知ることができるオリジナルのままだった。

フェアレディZ 432とはどんなクルマ?

 ダットサンフェアレディ2000の後継車として1969年にリリースされたフェアレディZは、アメリカの安全基準を満たすためにクローズドボディを採用していた。3グレードが用意され、セドリックスペシャルシックス用のL20型/直列6気筒SOHCエンジンを搭載するZおよびZL、スカイラインGT-R用のS20型/直列6気筒DOHCエンジンを搭載するZ432が同時にデビューした。

 発売当初のZを牽引する最上級スポーティバージョンとして登場したZ432には、既述したようにS20型エンジンが搭載されていたが、この名機中の名機と絶賛されたエンジンのメカニカルスペック、すなわち1気筒あたりの吸排気バルブの数を表わす「4」、装着されたキャブレターの数を表わす「3」、カムシャフトの数を表わす「2」によって車名が構成された点が特徴だった。

 7000rpmで最高出力の160ps、5600rpmで最大トルクの18kgmを発生するS20型エンジンを得ることのできたZ432のポテンシャルは卓越しており、最高速度210km/h、0-400m加速15.8秒という圧倒的な動力性能を誇っていた。

 パフォーマンス同様、価格も飛びぬけていた点がZ432の特徴で、最もベーシックな4速仕様のZが93万円、5速仕様のZLが108万円だったのに対し、Z432は185万円という価格でデリバリーされた。

 オイルショックなどの影響で、アンチ高性能車といったムードが社会に蔓延した1973年にZ432はカタログ落ちしたが、1969年11月からの総生産台数は470台ほどだったといわれている。稀少モデルなので、今後もクルウチ博物館が大切にしてくれるだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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