4WDはサーキットでも速いを証明した「アテーサE-TS」
そして忘れてはいけないのが、アテーサE-TSやスーパーハイキャスなど、最新の電子制御により「サーキットでも速い4WD」の地位を確立したこと。
以前の4WDスポーツは、どちらかといえばラリーやダートトライアルが主戦場。サーキットではアンダーステアや重さによるタイヤやブレーキのタレが影響し、路面のμが低くなるウエットは別として、デメリットも決して少なくなかった。
電子制御システムだけの功績ではないものの、グループAでは今も語り継がれる24連勝の活躍、チューニング界でも主役として長く君臨した。ちなみにグループAのホモロゲーション用モデルとして生産された「GT-Rニスモ」は、タービンの素材や排気系の一部を改良したほか、大幅な軽量化が実施されただけではなく、通称「ニスモダクト」呼ばれるフロントバンパー内の大型ダクトは、冷却系アイテムとしても高い人気を呼ぶ。
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1993年に行われたマイナーチェンジで追加された「Vスペック」では、ブレンボ製キャリパー採用によりブレーキローターも拡大され、ホイールもBBS製の17インチにサイズアップ。レースでの華々しい戦績やチューニング界を牽引したことなど、BNR32型スカイラインGT-Rは、まさに日本の自動車史に名を残す1台といっていいだろう。