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航続可能距離270キロ! EV商用バンが「エレモ」シリーズに追加。基本設計は「スープラ」と同じ「マグナ・シュタイヤー」です

小さなグリルのEVらしい顔周り

電気自動車商用バンの新機種が登場

 国内初の商用EVメーカーであるHW ELECTRO(HWエレクトロ)が、東京オートサロンで新たな商用バンEVである「ELEMO(エレモ)」シリーズ3機種目の車両となる「ELEMO-L」を発表した。

 その会場にヴェールをかけられた車両はとても大きく見えたが、車両サイズ的には全長5457mm×全幅1850mm×全高2045mm。トヨタ「ハイエース」のスーパーロングよりも長いが、同ワイドボディよりも若干細く、標準ルーフとミドルルーフの中間の高さということになる。つまりハイエースクラスのEVバンが登場したということになる。

「ELEMO-L」の発表会では、このエレモシリーズの製造を手掛けるCENNTRO(セントロ)オートモーティブ社の上級幹部のケリー・チョウ氏も登壇し、HWエレクトロの蕭 偉城(ショウ・ウェイチェン)代表取締役社長とともにアンヴェールを行った。セントロ社はアメリカに本社を置き、電気商用車を専門に設計・製造を行う自動車会社であり、HWエレクトロのパートナーである。

 エレモシリーズはセントロ社の車両を日本仕様にしたもので、基本設計はオーストリアのマグナ・シュタイヤー社(GRスープラとBMW Z4の委託製造を請け負っている会社でおなじみであろう)である。パッと見、中国や韓国系の会社と思われがちだが、日本のメーカーである。2019年に設立されており、このシリーズの最初のモデルである「ELEMO」を2021年7月にリリース。続いて11月には、そのELEMOのショートモデルといえる「ELEMO-K」の販売を開始している。

1充電の航続走行距離は270km

「ELEMO」のキャビンは1905mmと高く設定されているため、非常に細い車両の印象だ。基本シャシーのサイズで全長3910mmに車幅1380mmサイズという、軽自動車(全幅1480mm以下)よりも幅の細い車両である。荷台の装備によっては1470mm(ボックス)まで広がることにはなり、姉妹モデル「ELEMO-K」はリアのオーバーハングを切り詰めたモデルになるので、軽自動車の全長となる3400mm以内に収めた全長3390mmとなる。

 この軽自動車サイズに近い2台は、ラダーフレーム構造を基本とし、サスペンションもフレーム内に収めており、荷台の高さは750mmで完全にフルフラットとなる。ELEMO で25.92kWh、ELEMO-Kでは13kWh容量のリチウムイオンバッテリー、またモーターおよびコントロールユニットも同じくフレーム内に内蔵し、後輪を駆動する。一充電走行距離はELEMOで200km、ELEMO-Kで120kmとなる。

 その第3弾モデルが、今回のELEMO-Lとなる。最大積載量1250kg、1充電航続走行距離270kmというスペックの商用バンだ。床下に43.5kWhのバッテリーを収めており、普通充電によって8時間で完全充電が可能で、急速充電にも対応する。

 完全に商用バンとしての車両となっており、2名乗車でコクピットと荷室の間以外、荷室側に窓はない。リアドアは観音開きとなり、外ヒンジのため、ぐるりと大きく開くことができる。バックドアの開口は高さ1265mm×幅1330mm。サイドドアは右側のみ(開口は高さ905mm×幅765mm)で、上下開きでスライドドアではない。ちなみにラゲッジ地上高610mm、荷室長は2890mmとなる。

「これからのEVの未来について想像を膨らませていただけたら」と挨拶した蕭社長。ハイエースやキャラバンにとって代わることができるのか? このHWEのこれからの展開に注目したい。

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