サーキット志向のBRZも普段から乗れる扱いやすさにもこだわる
次いでサーキットのタイムアタックに狙いを絞り、熟成を重ねてきたターボ仕様の旧型BRZに移ろう。筑波サーキットのコース2000で1分1秒、スポーツランドSUGOで1分34秒という速さから、サーキット専用のスペシャルかと思うかもしれないが、コレもきちんと合法だ。
おまけに一般ユーザーとかけ離れ過ぎないこともコンセプトで、排気量は上げずエンジン内部も純正パーツしか使っていない。T518Zタービンにエキマニやマフラー、冷却系などをトラストのパーツで揃え、ECUTEKを使い自社にてセッティング。パワーは約330psと決して飛び抜けてはいないが、快適性をスポイルするような軽量化は一切ないうえ、乗り心地や耐久性も十分に確保したの大きなが特徴だ。山田代表によると、
「タイムだけを狙うならほかにも方法はたくさんありますが、デモカーを作る最大の目的はユーザーへのフィードバック。なので速さと同じくらい乗りやすさや壊れにくさが大切ですし、サーキット仕様であっても完全合法にこだわっています」とのこと。
もちろん市販パーツをただ取り付けるだけで達成できるはずがなく、足まわりはGR86と同じトラストがベースのオリジナルを開発。GTウイングこそ装着しないがオリジナルのアンダースポイラーをはじめ、細かな空力パーツを車検対応の範囲で追加しダウンフォースを獲得した。
さらにHPIの強化6速トランスミッションにOS技研のLSDをオリジナルで味付けし組み合わせ、タイヤはヨコハマ アドバンA052の265/35R18を前後にセットしている。もうひとつクルマドーのデモカーに共通するテーマは「楽に速く走る」で、街乗りとサーキットでセッティングを変更することはほとんどないそうだ。
タイムアタックにあえてプロドライバーを起用せず、山田代表が自らステアリングを握り続けていることも、多くのユーザーから支持を集める大きな理由だろう。