年に1度の開催を目指す
2023年シーズンの世界ラリー選手権(WRC)が開幕した週末、愛知県蒲郡市では、「パワステがまごおり」が初開催となった。「パワステがまごおり」は、一般公道で法定速度を守りながら、市内のチェックポイントを周るスカベンジャーラリー、そしてスタート&ゴール地点周辺では、さまざまなクルマ関連イベントが用意された。
冷え込みは厳しかったものの、好天に恵まれた2023年1月22日(日)。早朝から新旧合わせて73台のクラシックカー&スポーツカーが県内を中心に集まった。また、新しいイベントに多くの市民も早朝から会場に足を運んでいた。
周辺では、12年ぶりのラリージャパン2022が行われるなど、ラリー熱が高まり、近年のクラシックカーラリーブームもあって、満を持して開催という感じであろう。パワステがまごおりの舞台となった蒲郡市は南側が三河湾に面し、北側には桑谷山などをめぐる三河湾スカイライン(県道525号 蒲郡環状線)を持ち、自然豊かな海も山も楽しめる観光都市となる。
マリンリゾート施設「ラグーナテンボス」やテーマパーク「ラグナシア」、そして「ボートレース蒲郡」などもあり、西浦温泉、三谷温泉、形原温泉、蒲郡温泉という4つの温泉街、ミニサーキットの「スパ西浦モーターパーク」といった観光地も今回のスカベンジャーラリーのチェックポイントとなっている。
モリゾウ選手も派手なパフォーマンスで会場を沸かせる
会場にはサプライズでモリゾウことトヨタ自動車の豊田章男社長も登場し、この記念すべき第一回目の「パワステがまごおり」を盛り上げた。
「蒲郡は私にとって縁の深い場所でありまして、幼年時代、この蒲郡の浜辺での海水浴から始まり、トヨタ自動車としましても、マリン事業は長い間ここでお世話になり、最近では海陽学園、KIZUNAなどをここでやらせていただいていますし、私も時々ここで生活させていただいております。こんなクルマたちが風光明媚な蒲郡の海と山を走る、そんな世界を想像するだけでもワクワクいたします。
今日一日、みなさまが笑顔と多くの笑い声に包まれること、天気も味方してくれています。そんなイベントがこの蒲郡の地に今後も、多くの笑顔、多くのありがとうという言葉、モータースポーツを中心とした楽しい街づくりの一助になれば、と思っております。みなさん楽しみましょう!」
開会式では蒲郡という地の重要性を絡めながら章男社長は挨拶をし、午後にはラリーカーのデモラン会場に足を運んだ。実際にトヨタGRヤリス・ラリー1を駆り、見学者の前で盛大に土けむりを巻き上げながらデモランを行った。
はたらく自動車の展示やオフロード走行同乗体験なども行われた
一方、スカベンジャーラリーは、午前10時40分から順にスタートした各車は、約53kmのコースを走行(一部山岳路の三河湾スカイラインをショートカットするコースも選べた)。チェックポイントでは、「3kgのミカン、何個入っている?」、「スパ西浦での0カーの走行タイムは?」などの独特の設問に答えながら、午後2時半すぎには全車が走行を終え、ラグーナ地区のゴール地点に到着し、事故もなくラリーは無事に終了した。
蒲郡市の鈴木寿明市長は会場で次のようにコメントしている。
「盛大に開催できたこと、心から感謝しております。蒲郡は、観光の街でありますが、コロナ禍でダメージを受けていて、あらたなつながりをこの解決につながると感じております。モンテカルロオートスポーツクラブの勝田代表と話をする機会があり、この蒲郡のロケーションにもっとも似合うイベントになると思って、蒲郡市も、これを機会にモータースポーツの文化を一つ一つ積み重ねることによって根付かせていきたいですし、交通安全にも結び付けていきたいと思っています。豊田社長が開会式でおっしゃっていただいたように、みんなが元気になって、笑顔になって、ありがとうと言えるようなそんなイベントになったと思います。参加者の皆さんには本当に感謝を申し上げます」
会場を訪れた来場者には、はたらく自動車の展示やオフロード走行同乗体験なども行われ、多くの家族連れなどが、スカベンジャーラリー参戦車両を見て回ったりして冬の休日を楽しんだ。また、「パワステがまごおり」ならでは、というか蒲郡らしく、海を活用した三河湾のクルージング体験もできた。
「もっともっと市民の皆さんにモータースポーツを伝えていけるようなイベントに、もっと工夫を重ねてやっていきたいです。時期についてはまだ詰めるところもあるかと思いますが、年に一回という感じでやっていきたいですね」と鈴木市長。
第2回、第3回と引き続き開催されていくことを期待したい。