北米仕様の希少な内装色
さて、この個体の紹介をしていこう。このM3は1986年モデルの北米仕様車。そのためメーターはkmではなくmile(マイル)表示となっている。走行距離は現在5万8000マイル(約9万2800km)。年式と北米仕様車ということから考えて走行距離が少ないのは、不動のままの保管期間の長さからだろう。
ボディカラーはもともと赤だったそうで、それをシルバーに塗り替えた状態で保管されていたのだが、劣化が目立ったために現在はBMW X6やX1の純正色であるマラケシュブラウンメタリックへと全塗装をしている。
ホイールはボルクレーシングTE37をシルバーにペイントしたもので、タイヤはアドバンネオバAD08R(215/40R17)をセット。これはサーキット走行用のセットで、ノーマルホイールは別にきちんと保管しているそうだ。ブレーキはローターがディクセル製のスリットを、パッドはフェロード製を使っていた。
インテリアは純正スポーツシートだが、レザー仕上げとなっている。これは北米仕様車に用意されていたもので、シートカラーもブラックではなくベージュもラインアップされていた。フロントシート2脚はさすがにレザーの劣化が目立ったため、張り替えを行なっているが、リアシートは新車当時からのもので状態も良好。この内装色にブラウンメタリックの外装色がよく似合っている。
ステアリングはナルディ・クラシックのスウェードを装備し、ネット通販で購入したというダッシュマットもセットされていた。
エンジンのヘッドカバーやインダクションボックスのペイントは、DIYで行なったそうだ。自宅ガレージにコンプレッサーがあるため、エアブラシを使ってペイントを施した。
またボルトが飛んで使えなくなったというオルタネーターは、やはり社外品をセット。白と青の2トーンカラーとなっているが、これはもともとのカラーリングだったそうで、ヘッドカバーなどとのマッチングも含めてお気に入りのポイント。ラジエーターもアルミ製社外品へと交換されていた。
このM3のほかに、R60型ミニ・クロスオーバーも所有しているという向井さん。たしかに普段使うぶんには運転が楽で、ディーゼルターボで燃費もいいミニとなるそうだが、M3の愉しさは別もの、とのこと。
「乗っていないときはバッテリーの端子を外しておくなど、基本的なことさえしておけば、あとはそんなに気を遣うことなく乗れるのがM3のいいところです」