水まわりは要注意
その他、当時のBMW特有のトラブルについて榎本代表に訊ねてみた。
「まず、外装モールやゴム類といったパーツは経年劣化による影響が大きく、硬化しているなら即交換が必要になります。これを前提にウィークポイントについて説明すると、一番は水まわりになります。ウォーターポンプ、サーモスタット、ラジエター、ラジエターサブタンク、アッパー、ロアホース一式を交換しておくのが安心して乗れるクルマへとつながります。
ただ、ここで注意しなければいけない点があります。それは、交換するパーツのクオリティ問題です。昔だったら純正パーツを取り寄せて交換していたので、ある意味で品質保証が付いてました。しかし、現在は廃盤になるパーツも数多く、今は社外パーツに頼らざるをえません。
今どきはネットで探せば適合する社外パーツがたくさんヒットする時代になりましたが、その分、粗悪な物が多いことが問題になっています。また、過去には信頼のおける社外部品を組んだのに、再びトラブルが発生するケースも最近多くなりました。原因を突き止めると、3カ所すべてのパーツを社外にすると不具合が発生し、その交換パーツの間に純正品リビルト品を入れると治るケースもありました。だから、今どきのパーツ探しはそういう面でも難しく、昔と違って経験から導き出す勘も必要になりますね」
信頼できる社外パーツですら、きちんと確認しないと危なかったりするとなると、これはプロショップを頼るしかなくなる。ちょっとクルマの知識があったら、古いクルマはわりと整備しやすく、自分で作業をやってしまいがちだが、その交換するパーツに問題があるだけでなく組み合わせ次第となると、もはや素人レベルでは手が出せない。逆にBMWに強いショップに預ける方が安心ということだ。
BMWの中古車探しは楽しい反面とても大変だ。自分が思い描いているクルマが見つかるようで見つからない。これが普通だ。そんなとき、専門知識を持つBMWプロショップを頼るのが一番手っ取り早い。
その理由は、車両の善し悪しを知っていることもあるが、独自のネットワークによって求めているクルマを見つけやすいことが挙げられるだろう。また、古いBMWともなれば、簡単な整備だけで済むものではない。これまでどのような使われ方をしてきたのかを見極め、部品の交換箇所を詳しく調べる必要がある。エンジン、サスペンションに問題がなくても、古いBMWの場合は経年によるトラブルは避けられない。他では手に入らない部品の豊富なストックも含めて、ここで紹介したオートスクエアーエノモトのようなプロショップをパートナーとして持つことが、維持して乗り続ける上で安心につながるわけだ。
現在、同じ年式の国産車も高騰中だ。ここから先、ひとつの時代の象徴を築いたE36シリーズは、セダンもクーペもツーリングもカブリオレも含めて、その現象に引っ張られる形で人気が高まるに違いない。ということは、今が買い時なのかもしれない。
◎BMW LIFE (af imp LIFEシリーズ) (CARTOP MOOK)
■取材協力
・有限会社オートスクエアー・エノモト
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