家族の成長とともにキャンプの形態もフレキシブルに変わっていく
2022年の10月29日から30日の2日間、朝霧高原オートキャンプ場を舞台に日本オートキャンプ協会が主催する「JAC関東の集い」が開催され、キャンプサイトでは参加者たちのテントが華を咲かせていた。どのサイトにもオリジナルの工夫が凝らされ、キャンプ好きには参考になるものばかり。今回も同イベントでお見かけした素敵なキャンパーさんに「キャンプの魅力」についてお話をお伺いする。
グルキャンからハマってファミリーキャンプが恒例行事に
緑ゆたかな大自然と使いやすいレイアウトで人気の朝霧高原オートキャンプ場で開催された「JAC関東の集い」。オートキャンプの普及を目指し、「クルマと人」の素敵な関係を推奨するJAC(日本オートキャンプ協会)の恒例イベントには30組ものキャンパーたちが参加し大盛況を呈していた。今回は可愛い娘さんと参加していた池田清志さんのサイトにお邪魔し、キャンプの魅力についてお話をお伺いした。
「私が初めてキャンプに触れたのは今から25年ほど前になります。就職をした会社の同僚とのグループキャンプが初体験となり、自然の中で楽しめるキャンプの面白さにハマっていきました。その後、結婚をし子どもが生まれたときには、手のかかる幼い子どもを奥さんに任せて自分だけキャンプを楽しむこともできず、キャンプから遠ざかっていたのですが、長男、長女が少し大きくなるとファミリーキャンプとしていろいろな場所でキャンプを楽しむようになり、わが家にとってキャンプは家族で楽しむ恒例行事になりました。
キャンプは普段の生活とは違い、家族との距離感が近くなる気がします。自宅では話せないことでも自然の中では不思議と聞くことができ、キャンプを通して自分がやるべき仕事を見つけて自然と協力し合えるようになる。キャンプに行くことで家族の関係が深まるといえば少しオーバーかもしませんが、良い関係になることは間違いないと思います。家族とキャンプを楽しむときにはロケーション選びも重要で、冬は富士山がきれいに見える朝霧高原、夏は美しい湖面が楽しめる西湖や本栖湖などが多くなります。美しい景色は子どもたちにとって良き想い出として記憶に残りますからね」
子どもが大きくなってソロキャンの頻度が上昇中
今回の「JAC関東の集い」には娘のサキちゃんと参加していた池田さんだが、今後はどんなキャンプスタイルへと進化していくのだろうか?
「長男が中学生になり、部活や友人と遊ぶことが多くなってしまいキャンプに付き合ってくれなくなりました。少し寂しいですが、これも子どもが成長した証。さらに頼みの綱の娘も11歳になりましたから、どれくらい一緒にキャンプが楽しめるかが不安です(笑)。
そんなこともあり、最近ではソロキャンプの頻度が上がっています。自分ひとりでのキャンプはグループキャンプやファミリーキャンプとは違って静かに過ごせるのは大きな魅力だと思います。寂しさを楽しさと感じることができればソロキャンプも味わい深い。でも、自分のペースで過ごせるので“食べられれば何でもいいかな……”と料理が手抜きになってしまうのが難点ですね(笑)。
じつは昨日も朝霧高原でソロキャンプを楽しんできたのですが、ここ最近はキャンプ場をベースキャンプとして登山をするようになりました。登ったのは標高2000m程の毛無山ですが、冬登山はかなりの苦行修行ですね。登頂までの一歩手前でアイゼンを忘れたことに気がついて、後ろ髪を引かれる思いで9合目から引き返してきました。登山は安全第一ですから……。でも“ガチ”な登山にシフトする気は今のところありません。最低限の荷物を入れたザックひとつでテン泊(テント泊)するスタイルに憧れているだけです(笑)」
キャンプ場をベースにしたアドベンチャーを楽しむ
四半世紀もキャンプを楽しんできた池田さんだが、今後はキャンプをベースにした「遊び」にも力を入れて行きたいと語る。
「私のキャンプは“くう、ねる、遊ぶ”がモットーですが、今後は“遊ぶ”というアクティビティを強化していきたい。キャンプの遊び道具としてカヤックを楽しんでいるのですが、昔は毎週のように富士五湖や長瀞などに出かけていました。でも、最近は出番が少なくなっていたので、これからはキャンプ場をベース基地にしてカヤックで冒険の旅に出てみたいですね。静かな湖面へと漕ぎ出し、カヤックから眺める風景は格別です」
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グルキャンからファミリーキャンプへ、そして子どもたちの成長によってソロキャンへとスタイルを変えてきたキャンプの達人。自然を愛する池田さんの素晴らしきキャンプライフはこれからも続いていく。