最強と最弱の3段階までは使わないのがオススメ
ではどうすればいいのか。まず、大前提として、20段階調整式でも30段階調整式でも、さほど変化量の絶対値は変わらない。減衰力の変化の幅をどれだけ細かくしているかであって、段数が多いほうがセッティング幅が広いわけではない。
そのうえで6段階調整式などを除いて、15~40段階調整式くらいであれば、まず、最強から3段戻しまでくらいは使わないのがオススメ。
そこまで締め込むと減衰力調整機構の本来の機能ではなく、異常に硬くなってしまうことが多く、ハネたりする原因になる。もっと減衰力が欲しいときでも3段戻しくらいにする。
同様に減衰力を弱める側も最弱に近い3段階くらいは、減衰力が弱くなりすぎてしまうことがあるので、使わないのが推奨。30段階調整式なら最強から3段戻し~27段戻しの間で使うイメージだ。
両端から大きく調整して乗り比べていこう
調整の方法はまず、大きく調整してみるのがコツ。30段調整式なら3段戻しと27段戻しで走ってみて、どちらが乗りやすいかをやってみる。これはサーキットでも街乗りでも同じで、ステアリング操作に遅れがあるとか、クイックになりすぎないか、乗り心地が悪くなるか、フワフワとするかを見極める。
どちらがマッチするかで27段戻しのほうがフィーリングがよかったら、今度は27段戻しと15段戻しでやってみる。15段戻しのほうがよかったら、15段戻しと20段戻しでやってみる、というように徐々に幅を狭くしていくのがわかりやすい。いきなり1段や2段ずつ動かしても、なかなか変化を感じ取るのは難しい。
こうして調整していくと、意外と街乗りとサーキットでの減衰力が近くなることが多く、調整しても数段だったりする。結局、そのクルマとスプリングにマッチする減衰力はある程度決まってくるので、街乗りでもサーキットでも似たような減衰力になりやすい。スピードレンジの違いで数段調整するくらいで、基本的に同じ減衰力になることが多いのだ。
まずは先入観にとらわれず、減衰力調整によってどうクルマの動きが変わるかを試しながら、最適な値を探ってみてもらいたい。