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キャンピングカーでの自炊メシは意外とヘルシー!? 鬱蒼と寂れたキャンプ場の雰囲気も最高でした──米国放浪バンライフ:Vol.19

キャンピングカーでの自炊メシは意外とヘルシー!? 鬱蒼と寂れたキャンプ場の雰囲気も最高でした──米国放浪バンライフ:Vol.19

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TEXT: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)  PHOTO: 牧野森太郎

6月7日 クレイクリーク・レクリエーションサイトへ

 海岸沿いに町が連なり、その裏に低い山脈があり、中央の谷が開発され、一番東に高い山と砂漠がある。そのフォーメーションはオレゴン州もカリフォルニア州も同じだ。ユージーンを出て、低い山脈、コースト・レンジズのなかのクレイクリーク・レクリエーションサイトというキャンプ場にチェックインすることにした。

 ユージーンのREI(アウトドア用品チェーン店)で「キャンピング・オレゴン」というガイドブックを購入し、その本のなかから選んだサイトだ。本は情報が古く、実際にオンラインで調べると廃業しているところもあった。しかし、やはり紙をめくりながら付箋を貼ったり、書き込みをしながら選ぶほうが性に合っている。

 気に入ったのは、「コケの生えた2種類のメープルや大きなモミの木が鬱蒼としています」というくだり。モミの木(fir)はオレゴン大学の校内でも見て、存在感がある木だな、とひと目惚れした。ぜひ、深い森に自生する大きなモミを見てみたかった。

山奥だけど林業用に整備された舗装路が続く

 州道126号を南に入ると、きれいな舗装路が続く。山の中に入る道だから凸凹を覚悟していたが、意外にも整備されている。その謎が解けたのは、すれ違うクルマが丸太を積載した大型トレーラーばかりだったから。この道は林業のために作られた林業街道なのだ。

 しばらく行くと、なんとピータービルトのトラックが路肩に片輪を落として傾いている現場に遭遇した。材木満載の5アクスルのトレーラーが、何かの拍子にバランスを崩したのだろうか。事故は起きたばかりらしく、ドライバーが三角灯を立てようとしている。一時停止をすると、近づいてきて「調子はどうだい? まあ、オレよりはマシだろうな」と青い顔でジョークを飛ばした。

すっかり寂れたキャンプ場は迫力満点

 州道を左折してからキャンプ場までは16マイル(約26km)。分かってはいたが、かなり遠い。舗装はよくても道幅は狭い。大きなトレーラーとすれ違うときは、やはり緊張する。

 ようやく着いたキャンプ場は、レクリエーションサイトというくらいで、かつては小学生の遠足などに使われたのだろう、共同の炊事場や川遊びの際の注意が書かれた看板が立っている。

 しかし、もうその手の利用は途絶えているようで、ひと言でいえば、すっかり寂れていた。キャンプサイトやトレイルも整備が悪く、その分、望んでいた鬱蒼感は期待以上で迫力満点だった。

 21サイトあるうち、チェックインしているのは2、3カ所。人のことはいえないが、好き好んでここまでくるのは、どんな人たちなのだろう。

 天気は相変わらず、「曇りときどき雨。そして少し晴れ」。翌朝は早起きをして、晴天を期待しながら海岸を目指すことにする。

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  • 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)
  • 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)
  • アウトドア誌、ライフスタイル誌などの編集長を経験。2001年にアメリカでキャンピングカーを購入して以来、国立公園を訪ねることをライフワークとする。著書に『アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅』『自分自身を生きるには 森の聖人ソローとミューアの言葉』(ともに産業編集センター)がある。カリフォルニア州シェラネバダ山脈のジョン・ミューア・トレイルを計30日かけて踏破したレポートがデルタ航空機内誌「sky」に掲載され、カリフォルニア観光局のメディア・アンバサダー最優秀賞を受賞。
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