東京オートサロン2023の顔となったマーズ1号機

　2019年の登場から好調な売れ行きで現在のSUVシーンを牽引するトヨタ5代目「RAV4」。そのアグレッシブルなフォルムからカスタムベース車としても人気が高く、様々なタイプのボディパーツが各メーカーからリリースされている。

　東京オートサロン2023にも、数多くの50系RAV4ベースのカスタムカーが登場したが、その中でAMWが注目する1台が、KUHL JAPAN（クールジャパン）が2023年にデビューさせた新ブランド「VRARVA（ブラーバ）」の記念すべき1号車となるサイバークロスレーシングのパーツをまとった「MARS（マーズ）1号機」だ。

　このマーズ1号機だが、会期後に東京オートサロン公式サイトで最優秀賞8台による投票が行われ、見事、東京国際カスタムカーコンテスト2023のグランプリを受賞した。

近未来のミリタリーをイメージ

　ブラーバが掲げるブランディングは、近未来をコンセプトにした造形美を極めたスタイルの構築にある。クロスオーバーSUVとして力強くタフなイメージをより強調し、オンとオフの両方を兼ね備えた未来感を引き出すためにクールジャパンが各セクションごとに施したのが、アーマードスタイルのパーツだった。

　今回のカスタムについて、ボディデザインを担当した榎本裕人氏はわれわれAMW編集部ににこんな話をしてくれた。

「デザインを決める段階で、まずは市場リサーチを行いました。すると、わりとクラシックなスタイルを売りにしているものであったり、アウトドアを意識させるタイプが多いように感じました。

　そこで、新たに立ち上げるブランドとして、今あるスタイルに寄せるのではなく、クルマのキャラクターとオーナーの志向を考慮し、これまでにない発想で作り込むビークルスタイルとして、ミリタリーテイストを盛り込もうと考えました。

　そこから戦車や装甲車、戦闘機といった車両に採用された最先端のデザインをオマージュし、実用的で頑丈だけど機動力が高くタフさをアピールする1台としてフルパッケージのデザインを考えました。イメージとしては今までの発想にはない未来の軍用装甲ビークルとして例えることが出来ます。

　もちろん、見た目だけでなく、機能性についても工夫し、実際のオフロードシーンではオーバーハングの問題で発生する前後バンパーと路面との接触を防ぐ工夫も施しています」