外的要因から塗装面を守る耐衝撃性フィルム
『GT-R Magazine』編集部にやってきた新しいスタッフカー「R35日産GT–R Premium edition T-spec」。T-specは抽選販売方式の限定車だったが、抽選に運良く当選してから約9カ月、2022年7月1日にようやく納車と相成った。他のスタッフカー(R32 V-specII、R34 V-specII Nur、初期型R35)と同様に、少しでも長く良い状態を維持するのはもちろん、新車時の輝きをキープすべく『XPEL(エクスペル)』の「プロテクションフィルム」をボディ全面に施工した。作業工程とその効果をレポートする。
(初出:GT-R Magazine 167号)
下準備の洗車からしてスペシャルな作業!
今回作業を依頼した『XPEL JAPAN』は、つねに「施工待ち」が発生している人気店。施工は同店のスタッフに加え、GT-R Magazine 165号の企画「塗膜を守る」で指南役をお願いした『オートディテイリングあおき』の青木 久代表も助っ人として駆け付けてくれた。
まずは施工前の下準備から。洗車にはカルキが含まれている一般的な水道水ではなく「純水」を使用。部位ごとに酸性/アルカリ性/中性の専用洗剤を使い分けながら、丁寧に洗い上げていく。その後、ボディのコンディションに応じてポリッシュで磨き、将来的にフィルムを剥がす際のことも考慮してコーティングも実施する。
下準備が整ったらいよいよプロテクションフィルムを貼る行程だ。ボディとフィルムの間に空気を入れないのは当然、髪の毛や塵などの異物を完全にシャットアウトするため密閉性の高い場所で施工する。埃が舞うのを防ぐため、床面に水を張るという徹底ぶりだ。
極薄の透明フィルムは強靱な耐衝撃性を持つ!
今回本誌R35 T-specに施工してもらったのは「ULTIMATE PLUS」という製品で、業界トップクラスという耐衝撃性を持つ非常に透明度の高いウレタンフィルムだ。さまざまな車種/年式ごとのカッティングデータがあるため、ボディの部位ごとに最適な形状にカットしたフィルムを貼り込むことが可能だ。
パソコンでデータを確認後、XPELのDAP(デザインアクセスプログラム)を使用し、専用のカッティングプロッターでフィルムを自動的にカット。各部位の形でフィルムが切り出されるため、後から無理にフィルムを延ばして湾曲面や角に合わせ込む必要がなく、仕上がりが断然美しくなるという。
フィルムを美しくに貼るには長年の経験と根気が必要だ
フィルムとボディの間に滑りを良くするローション状の「ゲル」を塗り、フィルム表面に純水をかけながら丁寧に貼っていく。位置が決まったらスキージーを用い、ゲルとエアーを端へと押し出しながらボディに密着させる。バンパー開口部など、細かいエリアも同様の作業を入念に行うため、フルボディ施工は約1週間、フィルムやゲルの乾燥を含めると10日間くらいの施工期間を要す根気のいる作業なのだ。
言われなければフィルムを貼っているとはわからないクオリティ!
施工終了後、XPEL JAPANで本誌T-specと対面、「え? コレ、本当にフィルムを貼っているの!?」と思ってしまうほど、下ろしたての新車の塗装と変わらぬ美しさと輝きが保たれていた。R35の場合、ULTIMATE PLUSをフルボディに施工すると工賃込みで約130万円とそれなりの費用とはなるが、仕上がりの美しさにはもとより、長期にわたって塗装を紫外線や飛び石などから守れることを考えると、施工する価値は十分にあると思う。
今回はプロテクションフィルムに加えて、フィルム専用に開発されたという疎水性の「FUSION PLUSセラミックコーティング」も施工してもらった。雨の中を長時間走ってもボディはほとんど汚れないほど効果が高い。洗車時も水をかけるだけで簡単に汚れが落ちてしまう。
ちなみに、R35 T-specに標準装備される純正リアスポイラーはクリア処理なしのドライカーボン製だが、この部分のみ「マットペイントプロテクションフィルム」をチョイスすることで、艶消しカーボンのルックスはそのままにフィルムでガードすることができる。ちなみに、このフィルムをボディ面に施工すると、ボディ元色のまま「マット(艶消し)」仕上げになるというから、気分を変えたいという場合にチョイスするのもいいだろう。
仕上がりの美しさは「大阪オートメッセ 2023」でご覧いただけます!
なお、GT-R Magazine編集部のR35GT-R T-specは、2023年2月10日(金)~12日(日)に大阪市住之江区の「インテックス大阪」で開催される西日本最大級のカスタマイズカーショー『OAM 大阪オートメッセ 2023』の会場で現車を確認することができる。5号館の『XPEL JAPAN』ブースに展示するので、ぜひとも間近でその仕上がりの美しさをチェックしてほしい!
(この記事は2022年9月30日発売のGT-R Magazine 167号の記事を元に再編集しています)