どうしてオートサロンにマクラーレン「エルバ」?
個性的なカスタムカーと共に興味深いスーパーカーを数多く見ることが出来た東京オートサロン2023。その中でも驚きのハイパーカーを展示していたのが、日本初の最高級オリジナル3Dカーマットで有名なFIEVILLEブース。なんと、展示されていたのはマクラーレン「エルバ」であった。
異色のオープンコクピットを採用するマクラーレン エルバは、創業者であるブルース・マクラーレンが1960年代に設計したグループ7のレーシングカー「エルバM1A」にちなみ、その名が与えられている。
速く走るためだけに生まれたエルバ
そのスタイリングは、フルオープンスタイルでルーフ、サイドウインドウはもちろん、フロントウインドウやウインドスクリーンすら装着していない。そのかわりに、ドライビングスペースに走行エアが入らいないようにマクラーレン・アクティブ・エア・マネージメント・システム(AAMS)という画期的な機構を採用。フロントノーズのエアインテークから吸入されたエアをボンネット上部のダクトから高速で抜き、コクピット上を通過させることで、走行中の空気の流れを操作し、パッセンジャーを保護するというものだ。
エルバの特徴的なボディはこの機構を備えているからこそ実現できた。カーボンファイバー製のボディカウルは、エクステリアとインテリアの両方を繋ぎ、一体成型のボディデザインとなっている。そして、カーボンファイバー製のボディは、ドアがインパネの繋がる独特の形状を持ち、シートバックもまるでキャビンのように立ち上げてる点もマクラーレン・エルバの特徴といえる。
搭載エンジンは、フラッグシップモデルのマクラーレン・セナと同じ4.0L V8ツインターボユニットで、最高出力815ps、最大トルク800Nmを叩き出す。そして、0-100km/h加速2.8秒、0-200km/h加速5.8秒というから恐るべきスペックを誇っている。
運転にはアイウェアは必要です
FIEVIL担当スタッフに、実際に走行した感想を聞いてみると、やはりサングラスやメガネは必要で、イメージしていたほど走行風の巻き込みは無かったという。
ただ、これは街乗りでの話で、例えば、サーキットなどで仮にマクラーレン・エルバのポテンシャルをフルに開放して走る場合は、ヘルメットは必ず必要になるそうだ。AAMSだけの制御では完全には走行中のエアはコントロールすることが出来ないということだ。
このエルバは世界でわずか149台のみが生産される希少モデル。価格はおよそ2億円を超えるハイパーカーである。日本国内ではFIEVILLEブースに置かれた個体を含め、3台程度しか存在しないといわれている。
【AMWのミカタ】
今回、FIEVILLEブースに展示されたマクラーレン・エルバの足元には、とうぜんだが高品質が売りのFIEVILLE製品の3Dフロアマットが使われていた。フロアマットを替えるだけで、車内空間のイメージを変えてより高級感を演出するというわけだ。しかし、どうしてそもそもフロアマットの展示にエルバが選ばれたのだろうか。
フロアマットという地味な製品だけに、ド派手なカスタムカーが百花繚乱状態のオートサロンで注目してもらうには、エルバ級のハイパーカーを展示車両に選んだということが理由の一つにあげられるだろう。
そして、肝心のフロアマットが来場者からよく見えるようにするには、オープンカーでありドアが上に開くディへトラルドアであるエルバが最適だったというわけだ。