モータースポーツ経験者が試してみた
PVCドリフトはリアタイヤにポリ塩化ビニル管(PVC管)を装着し、極端にリアタイヤのグリップを下げてドリフト走行を楽しむ、新しい形のクルマ遊び&モータースポーツです。低い車速でのドリフトは一見すると簡単そうに見えますが実際はどうなのか? サーキット走行やジムカーナ走行の経験がある筆者が体験してみました。
最初はスピンの嵐でまともに走れず
今回走行したのは大きな広場のような場所。ここにパイロンを置いて簡単な8の字コースを作り、パイロンを目標物として8の字やオーバルで走行してみました。ワンコーナーのドリフトを成功させたり、あわよくばふたつのコーナーを繋げてドリフトできれば良いなというのが目標でした。
まずは助手席にて模範走行を体験。わかったことは、基本的にフットブレーキとステアリング操作でキッカケを作り、リアをスライドさせてサイドブレーキは使わないこと。また、リアがスライドし始めたらFF車であってもPVCドリフトの場合は後輪駆動車と同じで、基本的にアクセルコントロールでスライドを維持していきます。これはリアタイヤの限界が極端に低いため、フロントで引っ張ると自然とリアが流れていくようなイメージです。
助手席でPVCドリフトを体験し、いざ自身で運転開始。まずはグリップレベルが分からないので、ゆっくりとした速度で普通にコーナーを曲がろうとすると……あっという間にスピンしてしまいました。その後も今までの経験を基に、テールスライドに対応してカウンターステアを当てるもスピンの連続。普通にコーナーを曲がることすらままなりません。
カウンターは自分から当てることが鉄則
そこで言われたのが「セルフカウンターを当てるようでは遅い」ということ。筆者は今までリアがスライドしたら、セルフカウンター(クルマがすべっていく方向にクルマが自然とカウンターステアが働くこと)で探りながらカウンターを当てていました。
しかし、リアの限界が極端に低いPVCドリフトではセルフカウンターでカウンターを当てているようでは遅いのです。自分から予測を立ててカウンターを当て、スライドコントロールをしていかなければスピンしてしまいます。
コーナー進入時に自身から素早くステアリングを回し、カウンターを当てていくとドリフトができるようになり、スピンすることなくコーナーを駆け抜けていくことが可能となってきました。