時代の波に乗ったアゲ系スタイル
ワゴン&ミニバンのカスタマイズの変遷を振り返る企画の第5弾。ワゴン&ミニバン&SUV専門のカスタマイズ誌である「ワゴニスト」が、1994年に創刊してから最近まで支持の高かったドレスアップの手法を今まで4回に亘って紹介してきた。第1回目は「アメリカンとスポーツスタイル」、第2回目は「ヨーロピアンとVIP」、第3回目は「シンプルスタイルとラグジュアリースタイル」を紹介。そして前回の第4回は、シンプル系からガラリとスポーツに振った、「プレミアムスポーツスタイルとNEOシンプルスタイル」をお届けした。そして最終回となる今回、いまもブームが続くアゲスタイルを紹介する。
SUVだけでなくミニバンもアゲるとカッコいい!
コロナ禍の3密を避けるレジャーとして2021年ごろからブームとなり、急激に多くのユーザーから支持を得たアウトドア。それに呼応するカタチのカスタマイズとして注目を浴びているのがアゲ系だ。車高を上げることでキャンプ場までのアプローチとなりそうな林道などの未舗装走行を難なくこなし、多少のデコボコ道でもボディの底面を擦ることなく走行することができる。
ワゴニスト内でアゲ系がクローズアップされ始め、誌面にも登場したのが2018年あたり。その当時でもプラドやジムニーなどの車両で車高を上げたクルマはもちろん存在していたが、オシャレに街乗り系オフロードを実現する人やアウトドアを楽しめるような作りをする車両はごく一部。トヨタ「RAV4」はもとより、オンロード色の強いトヨタ「C-HR」もリフトアップしてアゲ系を楽しむことはもちろん可能だ。
さらにワゴニストに登場するメイン車両であるミニバンやトヨタ「プリウス」や「プロボックス」などをベースに使うスタイルにも注目。個性を出すスタイルが際立った。
足まわりなどをしっかりイジるだけでイメージは変わる!
基本は足まわりにおいては車高調やアップ系のサス、もしくは純正のサスペンションに挟むスペーサーなどでリフトアップし、ゴツゴツとしたオフロード系のタイヤを組み合わせる。タイヤの外径を少し上げて履かせるのが今風で、それにより車高も多少アップする。基本的にはこのスタイルでOKだ。
アップ系の車高調はまだ少ないが、サスペンションにおいてはミニバン対応のアイテムも徐々に増えてきている。ローダウンと同じく過度な車高変化はNGであったり、車種によっては長い目で見ると足まわりの機構の不具合を誘発することもあるが、1インチ(=2.54cm)程度のリフトアップならほぼ問題なく、それだけでも見た目はガラリと変わる。
ルーフラックやワークライトなど、サブパーツを駆使すれば、見た目のアップグレード感だけでなくキャンプ時に荷物を積めたり明かりが確保できたりと、使い勝手も良い。サイド部分にオーニングを設置すれば、キャンプ場に到着後はその下でカフェも楽しめる。まさにアゲ系はイマドキのコロナ禍でのレジャーと見た目のオシャレを両立したスタイルだ。
* * *
最終回となった今回の振り返り企画は、にわかに注目を浴びるアゲスタイルについてクローズアップしてみた。まだまだ、発展途上で未開拓なジャンルだけに、カスタマイズには苦労が多いかもしれないが、ミニバンでカスタマイズすれば、注目度が高くなるのは間違いない。実用性とオシャレさを兼ね備えたアゲスタイル。家族にも優しい(?)最高のカスタマイズだ。