ますます注目を浴びるEVだけのレース
東京都がフォーミュラEの招致に動いているなど、電気自動車競技に注目が集まっている。国内唯一の電気自動車専門のレースシリーズである全日本電気自動車グランプリ(JEVRAシリーズ)の2023年シーズンのスケジュールが発表された。
このシリーズは、トムスの舘 信秀会長が初代理事長となり2010年にスタート。このEVレースを通じてECOの推進と、最良のEVの開発のスピードを速めるための「Proving Ground(開発・実証の場)」を提供するということを目標に開催されている。基本的に電気自動車(燃料電池車、そして発電のためだけにエンジンを搭載したレンジエクステンダーEVも含む)のみで行われるレースだ。
14シーズン目となる今シーズンも、市販車クラスはEV-1(モーター最大出力250kW以上)、EV-2(モーター最大出力150kW以上250kW未満)、EV-3(モーター最大出力150kW未満)とモーター出力で3クラスに分けられ、それ以外にEV-F(燃料電池車クラス)、EV-R(レンジエクステンダー/発電をエンジンで行う車両)、SUVクラス(EV-S/モーター出力自由)も用意された。
ほかにも、EV-C(エンジンをモーターに換装したコンバート車両のコンバートクラス)、EV-P(開発車両/レース専用車両のプロトタイプクラス)と8クラスが設定されている。
ペース配分をしながらいかに早く規定周回を走り切るかが重要
レース距離は、第1、2、3、5戦が55km,第4、6戦は60kmとなる。基本的には30分前後のスプリントレースだ。序盤は抑えめのペースで走行しなければ、モーターやバッテリーの発熱によりさまざまな制御モード(走行はできるが速度などの抑制がかかる状態になること)が作動してしまうが、そのギリギリのところで、うまくペース配分をしながらいかに早く規定周回を走り切るか、が重要。そのため、この短い走行距離の中で、エコランの要素や耐久レースの要素も存分にあるレース・シリーズでもある。
最近はテスラモデル3の強さが目立つが、さまざまな市販EVが登場している中で、新たな車両の参戦があるのか? 今シーズンの戦いが楽しみだ。
JEVRAシリーズのスケジュールは以下の通りとなっている。
【第1戦】4月22日(土)茨城県 筑波サーキット 55kmレース(27周)
【第2戦】5月14日(日)静岡県 富士スピードウェイ 55kmレース(12周)
【第3戦】6月18日(日)千葉県 袖ヶ浦フォレストレースウェイ 55kmレース(23周)
【第4戦】8月11日(金・祝)千葉県 袖ヶ浦フォレストレースウェイ 60kmレース(25周)
【第5戦】9月23日(土)宮城県 スポーツランドSUGO 55kmレース(25周)
【第6戦】10月9日(月・祝)茨城県 筑波サーキット 60kmレース(30周)
※レース日程および開催場所は、変更することもあるので注意。