サバンナは車体が軽く俊敏さを感じられた
学生時代、同級生がサバンナを新車で買い、運転させてもらったことがある。スカイラインGT-Rには乗ったことがなかったが、2000GTは運転の経験があり、それに比べサバンナは車体が軽く俊敏さを感じさせた。初の体験となったロータリーエンジンは、レシプロエンジンのようなパンチ力はなかったが、いったいどこまで回り続けるのかという滑らかな回転で出力を高め、速度に乗せていった。スカイラインとサバンナは、まったく異なる性格を持ちながら、それぞれの長所を活かしてレースを戦っていたのだと、雌雄を決するその様子を垣間見た気がした。
ちなみにサバンナの新車価格は、スタンダードが60万円(1971年12月)、クーペボディのGS IIが75万円(1971年12月)、GTが79万5000円(1972年12月)だったのに対して、ライバルの日産スカイラインH/T 2000 GT は89万5000円、日産スカイラインH/T 2000GT-Rは154万円(ともに1971年12月)。価格が安価だったことも人気の理由のひとつだった。
1971年に誕生したサバンナRX-3は、また、1970年に世界を揺るがした排出ガス規制にロータリーエンジンが対処可能であることを示したクルマであり、当時は、ほかの自動車メーカーもロータリーエンジンを学ぼうと必死になった時期があった。排出ガス規制を達成し、なお高性能でもあるという、次世代に夢をつなぐ車種でもあったのだ。