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【電動化の前に買うべき1台】ポルシェ「718ケイマンGT4 RS」の軽快感とダイレクト感はレーシングカーそのものでした

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TEXT: 藤野太一(FUJINO Taichi)  PHOTO: 井上 誠/ポルシェジャパン

豪快な吸気音のなか、軽快なエンジンと切れ味鋭いPDK

オプション装着されているセンターロック式の20インチ鍛造マグネシウムホイールのお値段が約250万円と聞いて、おそるおそる走り出した。アクセル開度に比例して、6つのスロットルが連動し、吸気音が高まる。リアクォーターウインドウまでプロセスエアインテークというカーボン製のエアインテークにすげ替えられており、シュゴーっと豪快な音がドライバーの耳に飛び込んでくる。

トランスミッションはマニュアルはなく、7速PDKのみの設定となっている。これもただのPDKではなく、ギヤ比がGT4とはひと味ちがうクロスレシオにセッティングされている。

ワインディングに向かい、ものは試しとほんの一瞬アクセルペダルに力を込める。PDKが切れ味鋭くスパスパとシフトアップしていく。これはマニュアルトランスミッションでは、とても手も目も追いつかない。ちなみにPDKはより俊敏なスポーツモードも選択できる。軽快に吹き上がるエンジンのレッドゾーンは9000回転から。このコンパクトさで0−100km/h加速は3.4秒というからもう笑うほかない。ポルシェ718GT4RSのエンジン

この出で立ちで、足もとに装着するタイヤはミシュランのパイロットスポーツカップ2。乗り心地は硬いに決まっている。硬いのだけれど、不快じゃない。いちおう可変ダンパーのPASM(ポルシェアクティブサスペンションマネジメント)も装着されているのだが、このボタンを押すとさらにサーキット仕様へ切り替わるので、少し試してやめておいた。ブレーキは、オプションの「PCCB(ポルシェカーボンコンポジットブレーキ)」が装着されており、そのタッチのよさにはタメ息がでる。

このクルマが本来走るべき場所は、今更いうまでもなくサーキットだ。でも、市街地ではダメかといえば、そうでもない。日がな一日、少しばかり賑やかなこのクルマと一緒に街中を走っていると、心地よい疲労感を味わうことになった。軽くて軽快で音も振動もダイレクトに伝わってくる、さながらモーターサイクルだと思った。電動化の流れにはポルシェも抗えず、2025年までに登場する次期718シリーズは電動車になるという。いま、これを買える人が素直にうらやましいと思う。

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