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20番目のBMWアート・カーを大胆予想! ル・マンを闘うレース車両になる!?BMWの「アート・カー」の歴史を振り返ろう【Vol.02】

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TEXT: 武田公実(TAKEDA Hiromi)  PHOTO: BMW AG

その16 オラファー・エリアソン/BMW H2R (2007)

前回から8年後、2007年に発表されたアイスランド系デンマーク人、オラファー・エリアソンの作品は、BMWアート・カー・シリーズにおけるそれまでのどの作品からもかけ離れたものだった。最初は、巨大な冷凍室の中で小さな金属板に水を吹きかけて作られた繭のような物体が佇んでいるだけだが、この繭を溶解させると、中から水素で動くレーシング・プロトタイプが姿を見せる。これが社会の持続可能性に取り組むための、エリアソンのアプローチというのだ。

その17 ジェフ・クーンズ/BMW M3GT2(2010)

2010年にBMWアート・カーの誕生35周年記念として、今世紀を代表する米国のポップアーティスト、ジェフ・クーンズに依頼して、通算17台目となる「M3GT2」を制作。ポップアートの復活とBMWアート・カー・シリーズの原点回帰を示すものとして、同年のル・マン24時間レースにエントリーさせた。

◎BMW LIFE (af imp LIFEシリーズ) (CARTOP MOOK)

その18 ジョン・バルデッサリ/BMW M6 GTLM(2016)

カリフォルニア出身のアーティスト、ジョン・バルデッサリは自身のスタイルに基づく要素を極めてミニマムに、しかしより大胆に活用することで、大きな効果を求めた。ドライバー側のドアに書かれた文字「FAST」が、そのすべてを物語っている。

その19 ツァオ・フェイ/BMW M6 GT3(2017)

現時点における最新のBMWアート・カーは、中国のマルチメディア・アーティスト、ツァオ・フェイによって生み出された。レーシングマシンの象徴であるカーボンにフォーカスし、プロジェクトの背景にもブラックを採用。専用アプリをダウンロードすれば、拡張現実(AR)機能によってカラフルな光の粒子や帯が「M6 GT3」の頭上で戯れるアートを愉しむことができるという。

◎BMW LIFE (af imp LIFEシリーズ) (CARTOP MOOK)

記念すべき20番目のアート・カーはいつ登場する?

このBMWアート・カー・ギャラリーの19作品を鑑賞したあと、AMW閲覧者諸兄はこう思うかもしれない。アート・カー・プロジェクトの節目となる20番目はいつ登場するのか……? この伝説的なBMWコレクションで次に名を残すアーティストは誰になるのか……? そして、BMWのどのモデルが使用されるのか……?

アートについてはまったくの素人である筆者には、次作をどんな作家が担当するかの予想はまったくつかない。でも、登場時期とベースモデルについて希望的観測を含みつつ予想すれば、おそらく発表の場となるのはBMWアート・カー50周年を迎える2025年のル・マン24時間レース。そして車両はGTEカテゴリーか、あるいは2023年から「IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権」の新たなトップカテゴリーとなるGTPクラスへの投入が決定している、新型LMDh規定マシンになるのではないだろうか……?

どんなかたちで現れるにしても、今後の展開がとても楽しみなのである。

◎BMW LIFE (af imp LIFEシリーズ) (CARTOP MOOK)

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  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 武田公実(TAKEDA Hiromi)
  • 1967年生まれ。かつてロールス・ロイス/ベントレー、フェラーリの日本総代理店だったコーンズ&カンパニー・リミテッド(現コーンズ・モーターズ)で営業・広報を務めたのちイタリアに渡る。帰国後は旧ブガッティ社日本事務所、都内のクラシックカー専門店などでの勤務を経て、2001年以降は自動車ライターおよび翻訳者として活動中。また「東京コンクール・デレガンス」「浅間ヒルクライム」などの自動車イベントでも立ち上げの段階から関与したほか、自動車博物館「ワクイミュージアム(埼玉県加須市)」では2008年の開館からキュレーションを担当している。
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