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安全にキャンプファイヤを楽しむには? ファイヤピットの製作は意外と大変でした【おとなの山遊びVol.4】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

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安心して寝泊まりできる小屋の存在は大きい

自分たちで建てたワケではないが、秘密基地として小さなログハウスが完成。コレで作業中に雨が降ってもすぐ逃げ込むことができ、そして何といっても宿泊できるようになったのは大きい。

国内外でキャンプの経験があり、テント泊の楽しさも知っているものの、数十年も放置されていた森にはダニやヤマビルといった虫が大量に存在し、そこらへんの木にはクマが木登りの練習をしたであろう痕跡も残っている。しかも携帯電話がほとんど通じない場所だけに、何かあっても助けを求めることが難しいのだ。

ある程度は整備されていたり、ほかに人がいるキャンプ場と比べて野生動物と遭遇するリスクはケタ違いに高いといっていい。その意味でもログハウスを優先させたのは正解だったと思う。

きちんと対策を施してファイヤピットを作成

ある程度の安全は確保されたということで、次はキャンプのお約束といえる「焚き火」だ。最近じゃ直火が認められるキャンプ場はほとんどなく、焚き火台を使うのが当たり前となっているが、ここは完全な私有地であり「俺が法律だ」状態。仲間とどうせなら「豪快に直火でやろうぜ!」となり、ログハウスの近くにファイヤピットを作ることが決定した。

とはいえ自由には大きな責任が伴う。好き勝手に焚き火して山火事なんて起こしてしまったら一生モノのダメージであり、信頼してこの場所を預けてくれた知人の顔に泥を塗ってしまう。相談の結果ログハウスを建てるのに邪魔で切った、杉の切り株を引っこ抜いて利用することにした。

ところがコトワザの「言うは易く行うは難し」で、直径が20cmに満たない杉だったにもかかわらず、根っこがガッツリ地中に張り巡らされており、ツルハシとノコギリで取り除くのがひと苦労。それから鉄パイプで三脚を作りチェーンブロックで引き抜き、ようやく直径1m×深さ50~60cmほどの穴ができあがった。続いて沢から石を運んで表面に雨水が溜まらないよう敷き詰め、穴の周囲を大きいサイズの石で囲み鉄の網を載せてようやく完成した。

道具をしまう倉庫はDIYでの作成にチャレンジ

次なる目標は倉庫だ。ログハウスは3坪+ロフトとコンパクトな設計のため、開拓で使う工具や資材を保管するほどのスペースはなく、それならと練習がてら自分たちで作ってみることに決めた。

予算は10万円だ。倉庫そのものは樹脂製の組み立て式で、基礎の束石や束柱など必要な木材をホームセンターで調達。こちらも難儀したのは穴掘りというか根っこの除去で、束石を埋めて水平を出すまで丸2日を必要とした。

積雪量を考慮して地面から50cmほどかさ上げし、湿気が多いため木材は防腐剤を念入りに塗布。組み立てはカンタンで2時間かからずに完成した。安いだけに強度がちょっと不安だったものの、屋根に40cmほど雪が積もっても持ちこたえてくれて、湿気がこもらず中の道具にカビが生えることもなかった。木造より大幅に費用も抑えられたので、いい買い物だったのではないだろうか。

ログハウスにファイヤピットに倉庫と、秘密基地は少しずつ環境が整ってきた。今回は時系列でいうと2020年の夏から2021年の秋までの話。次回は作業のネタから少し離れて、冬山の過ごし方を解説してみたい。寒すぎて泊まるなんてムリと思っていたが、実際は拍子抜けするほど快適だった!?

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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