2024年モデルに加わったハイブリッド
シボレーは2023年1月、アメリカを代表するスポーツカー「コルベット」初のハイブリッドモデルとなる「コルベット E-Ray」を2024年型モデルとして発表した。
コルベットの70周年にあたる2023年に発表されたコルベット E-Ray、GMのマーク・ロイス社長は次のようにコメントしている。
「1953年に熱狂的な反響を呼んだシボレーコルベットのコンセプトは、その後70年にわたるパッション、パフォーマンス、そしてアメリカらしい創造力の幕開けとなりました。コルベット初の電動AWDのコルベット E-Rayはさらに一歩進んで、コルベットが何を提供できるか、その可能性を広げます」
2024年モデルに加わったコルベット E-Rayは、6.2L V8エンジンとモーターを組み合わせる。最高出力495ps/最大トルク637Nmを発生するLT2スモールブロックV8エンジンが後輪を駆動、シート間のフロアトンネルにレイアウトされた最高出力160psのモーターが前輪を駆動させる。
エンジンとモーターの総合出力は655psに達する。この組み合わせにより、0−96mph(約96.6km/h)を2.5秒、1/4マイル(約400m)を10.5秒で駆け抜ける、史上最速のコルベット量産モデルとなるという。なお、モーターに備わる1.9kWhのバッテリーパックは回生ブレーキにより充電され、プラグインによる充電は行わない。
足まわりには3種類のサスペンション設定が可能
インテリジェント電動AWDシステムは路面状況を検知し、トラクションの状態やドライバーの要求に合わせてシームレスに反応。トラクションの低い路面や急発進の際には前輪に駆動力を供給し、車両の安定性を高めるという。電動化された駆動システムにより、コーナーの立ち上がりでの力強い加速を実現。スタート時には限定的ながらモーターのみで走り出すことも可能となった。EVモード(ステルスモード)の最高速度は45mph(約72km/h)。足まわりには3種類のサスペンション設定が可能な、マグネティックライドコントロール4.0が備わった。
電動アシストは走行モード(ツアー/スポーツ/トラック/ウェザー/マイモード/Zモード)に応じて調整され、バッテリー充電を優先するチャージ機能(Charge+)も用意される。サーキットでは、必要に応じて制御システムがフロントにトルクを配分しパフォーマンスを向上させるという。さらに、アクティブ・フューエル・マネジメント・システムがモーターを活用した気筒休止を行うことで燃費を向上させてくれる。
カーボンホイールをはじめ装備も充実
ボディタイプはルーフが取り外せるクーペと、リトラクタブルハードトップを備えたコンバーチブルをラインアップする。現行モデルより3.6インチ(約9cm)幅が広げられ、より迫力を増したエクステリアには、エレクトリックブルーの専用ボディレングス・ストライプ・パッケージなどを装着。専用デザイン(5スポークのツインスターデザイン)の20/21インチ軽量アルミホイールに加え、オプションでカーボンファイバー製ホイールまで用意されている。
インテリアでは、インフォテインメントシステムとインストルメントクラスターを刷新し、より一体感のある仕立てに。Charge+などのスイッチが追加されている。内装には仕上げの大部分に深いグリーンを配色した新しいアルテミスディップドインテリアが用意された。これは2024年モデルのみに採用されるものだという。また、2種類のカーボンファイバー・トリムパッケージ、3種類のシート、7色のインテリアカラーなど豊富なオプションが揃えられているのもポイントだ。
2024年型コルベット E-RAYはアメリカ・ケンタッキー州にあるボウリンググリーン工場で生産が行われる予定となっており、本国での希望小売価格は1LZクーペが10万4295ドル(邦貨換算約1378万円)、1LZコンバーチブルが11万1295ドル(邦貨換算約1470万円)。本国では2023年に販売される予定だが、日本への導入は未定とのことだ。