コロナ禍で変わったカーライフスタイル
コロナ禍で見直されたライフスタイル。人が密にならないことがキーワードで、その最たるものがアウトドアブームであった。クルマの世界では、コマ図を使って楽しむラリーに注目が集まっている。
日本全国、否、世界中が萎縮してしまっていたなかでも、参加者の感染対策を万全にして、ラリーイベントの火を絶やさなかったのがNCCR(Nippon Classic & Exciting car Rally)だ。ラリーイベントは、競技性の高いもの、車両の年式やオリジナル度を重んじる格式の高いもの、町おこし的なもの……と、さまざま。NCCRといえば、参加車両はクラシックカーとスーパーカーという組み合わせ。意外と思われるかもしれないが、じつは両ジャンルは親和性が高い。その証拠に世界的なオークショネアは同じ日にオークションを行うことが多く、双方が収まるガレージもたくさん見てきた。つまり、趣味性の高いクルマという意味では、クラシックも最新のスーパーカーも同じということだ。
1日で楽しみたいラリー
この極めて趣味性の高いクルマというものは、一旦ガレージに収まると、なかなか戸外に出してもらえる機会に恵まれないことの方が多い。オーナーにもそれなりの準備が必要となるからだ。
そうしたクルマを積極的に公道に解き放ち、ドライブして楽しもう、というのがNCCRの裏テーマではないかと、過去に何度か参加した経験から勝手に想像している。初めてラリーに参加するというクラシックカーやスーパーカーオーナーには、ハードルが低くて1日で楽しめるプログラムになっているのだ。
ラリーイベントは、数日で行われる本格的なものもある。こちらはまさしく冒険旅のような感覚で非日常を楽しめる。反対にワンデイ イベントはその気軽さこそが多忙な現代人にはちょうどよく、イベントの前後を個人のドライブ旅に充てる人も多い。いずれにせよ、ガレージに眠っている愛車を引っ張り出す大きな動機となるのは間違いない。
AMW編集部はブルーの「M8」で参加
2022年12月に開催された「NCCR2022御堂筋イルミネーション」に、じつに5、6年ぶりに参加させていただいた。これまでの参加車両は、当時携わっていた雑誌の性質もあって、最新のベントレー「コンチネンタルGT」やメルセデスAMG「SLS」などであったが、今回はBMW「M8」を参加車両として選ばせてもらった。ボディカラーはデイトナ・ビーチ・ブルー。並いるスーパーカーと一緒に並んでも、まったく引けを取らない存在感だ。
ラリー当日の朝に大阪入りして、早く到着しすぎたのでコンビニの駐車場に停めて夜明けのコーヒーを飲んでいたら、コンビニに訪れたクルマ好きの年配の方に「いい色ですね」と、声をかけられた。ボンネットを開けてエンジンをお見せしたりして、しばしクルマ談義。M8、どうやらつかみはOKのようだ。関西文化ではとても大切なコミュニケーション要素だ。選んでよかった、M8。
スタート地点である大阪市役所には、すでに色とりどりの参加車両が並んでおり、その末席にM8を停めさせてもらう。ラリーイベントの朝は忙しい。受付を済ませたらゼッケンをボディに貼ったり、当日の朝にもらったコマ図を見てイメージトレーニングや作戦会議などで慌ただしいのである。もちろん、参加者同士の会話も楽しいひとときである。