20歳の頃に乗っていた3代目シルビアに復帰して20年かけチューニング
「日本旧軽車会」が主催する、新年第1弾のイベント「ニューイヤークラシックカーミーティングinキヤッセ羽生」が2023年1月8日に開催された。そこに参加した上原裕之さんの愛車は、1981年式の3代目・日産「シルビア ハッチバック」(KS110改)。若いときに乗っていたクルマと同型を手に入れ、動態保存&イベント展示&走行会仕様として楽しんでいる。
絶滅危惧種なので、救いたい
20歳の頃にKS110型シルビアの中古を手にいれ、2年間ほど乗っていたという上原さん。そこからS13型シルビアに乗り換えた後はスポーツモデルからは離れていたそうだが、今から20年ほど前、家の近所でシルビアを見かけたのをキッカケに興味が再燃した。
「調べたらほとんど残ってない絶滅危惧種なので、救わないと、と思って」
ということで、まずはシルビア ハードトップを購入するものの、上原さんが20歳の頃乗っていたのはハッチバックだったため、再びクルマを探し2002年にハッチバックを手に入れたのだった。
若き日に乗っていたモデルと同型のハッチバックを手に入れた上原さんだが、エンジンはオーバーホールが必要だったため、ある決断をすることに。その決断とは、とあるディーラーにRB26に積み替えたZ31型「フェアレディZ」が置いてあるのを見て、そのディーラーに公認でのエンジン積み替えを依頼したのだ。
「オーバーホールに10万円はかかると言われていて、お金かけて元に戻るだけというのはつまらない性格なので」
SR20DETにスワップし、各部にも手が加えられている
KS110型シルビアに載せ替えたエンジンは、S13シルビアに搭載されていたSR20DET。このエンジンは載せ替え(もちろんそのための加工も)だけでなく、TOMEIのカムとエキマニ、HKSのGT-SSタービン、ブローオフバルブなどといったパーツでチューニングされている。
またある時、イベントでレーシングドライバーに乗ってもらうと「足が柔らかいですね」といわれ、足まわりのレベルアップを開始する。さまざまな試行錯誤の末、最終的にフロントはS14シルビアのキャリパーを装着するためにS13系のロアアームやナックルアームなどを移植し、C34ローレル用の車高調をセット。リアはNISMOのPS13用サス+アッパーアルミブラケットという組み合わせを採用している。
このほかにも、ドライブトレイン、ボディ、インテリア、冷却系、マフラーなど、このスペースでは書ききれないほどの変更が加えられており、そのそれぞれが上原さんのこだわりと試行錯誤が繰り返された結果となっている。
若い頃にできなかったことをやっている
「20歳の頃に乗っていたのもマフラーを替えて、HKSのインタークーラーを入れたりしてたんですよ。このクルマを手に入れて、若い頃はできなかったことも多少はできるかなと思って、やりたいことをやろうと。それで理想の形に近づけるとともに、延命化をしていこうという感じですね。
今後は息子の助言で、リンクのコンピュータを入れようと思っているんですよ。今のが、現車合わせのコンピュータじゃなくて少し濃かったりするので、それで調整しようかなと思っています」
と語る上原さん。至るところがモダンにアップデートされた40年前のシルビアは、まだまだ進化していくようだ。