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770馬力! アストンマーティン史上最強! 最終モデル「DBS770 アリティメット」ととは?

カーボン製クラムシェルボンネットにはU字型エアベントが備わった

フラッグシップモデルの最後を飾る499台

アストンマーティンはフラッグシップ「DBS」のファイナルモデルとなるDBS770 アルティメットを発表した。生産台数はクーペが300台、オープンのヴォランテが199台となり、これをもってDBSの生産が終了するという。

チーフ・テクノロジー・オフィサーのロベルト・フェデリ氏は次のようにコメントしている。

「アイコニックなシリーズが生産終了前の最後の世代に達したとき、スペシャルなモデルで最終章を飾ることが重要です。フラッグシップの最終バージョンとなるDBS 770 アルティメットの場合、あらゆる面で歴代を凌駕する最高のモデルとなるよう、私たちはいかなる努力も惜しみませんでした」

DBSは、1967年に最高出力284psの4L直6エンジンを搭載するハイパフォーマンスなGTモデルとして登場。その後、DB9をベースとしたフラッグシップGTとして2007年にその名が復活、2012年にヴァンキッシュが発表されるまで販売された。

そして、2019年にDB11をベースとしたさらなる高性能フラッグシップとなるDBS スーパーレジェーラとしてその名が登場する。ちなみにスーパーレジェーラは“超軽量”を意味する。もともとは1926年創業のコーチビルダーであるカロッツェリア・トゥーリングによる、細い鋼管フレームで組み上げた骨格をアルミパネルで覆うボディ製作方法で、DB4/DB5/DB6に採用されてたもの。

アストンマーティンの量産車史上最強のV12ツインターボ

車名の770はこのモデルの最高出力を表し、そのスペックはアストンマーティンの量産車で最強となる。フロントミッドにマウントされた5.2L V12ツインターボエンジンはターボ過給圧、吸気系や点火系の改良を行うことで、最高出力770ps/最大トルク900Nmに。これはDBSスーパーレッジェーラと比べ、最大トルクは変わらないものの、最高出力が45psも向上している。合わせてZF製8速ATも改良が行われ、その結果、0→100km/h加速は0.2秒短縮の3.2秒(ヴォランテは3.4秒)、最高速度は340km/hとなる。

足回りではアダプティブダンピングシステム(ADS)のソフトウェアを改良することで、快適性はそのままにコントロール性能を向上。ブレーキはディスクサイズに変更はないものの、カーボンセラミックブレーキシステムを標準装備とした。

21インチホイールはヴァルキリーやヴィクターからインスパイアされたデザインが用いられており、サテンブラックとシルバーから選択可能となる。シャシーはクロスメンバーの強化などによって、車体のねじり剛性を3%向上、フロントエンドの横剛性は25%も高められている。

エクステリアはボンネットのU字型エアベントが特徴的だ。これはラジエターへの空気の流入量を増やすための装備で、さらにフロントスプリッターにもエアベントが追加された。また、専用デザインのリアディフューザーを装着。2×2ツイルカーボン製ロワーボディパッケージと2×2ツイルカーボン製アッパーボディパッケージなどを装備し、従来のDBSとの差別化が図られており、スポーティな雰囲気をさらに高めている。

インテリアのデザインはこれまでのモデルと同様ながら、コントラストカラーやカーボンパーツなどで差別化が図られた。フルーテッドキルティングの付いたレザー&アルカンターラのスポーツプラスシートを標準装備。

センターアームレストには車名の入ったバックルバッジが、ドアシルにはシリアルナンバーの入ったプレートが備わる。さらに、ラグジュアリーなブランドらしい、「Q by Aston Martin」によるビスポークのオプションも豊富に用意されているので、他モデル同様に、自分だけの1台に仕立てることも可能となっている。

 生産開始は2023年第1四半期の予定だが、すでに完売しており、V12エンジンを積んだ流麗なフラッグシップモデルの人気の高さがうかがえる。なお、価格は発表されていない。

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