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伝説の名車「ヨーロッパ」を現代のロータス「エキシージ」で再現! 改造費300万円でボディキットの量産化を目指します

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: AMW編集部

モダン・ロータスを「ヨーロッパ」化!

パッと見た限りはシックなボディカラーのロータス「ヨーロッパ」だが、よく見るとちょっと違う? こちらは2023年2月10日から開催の「大阪オートメッセ2023」にて、TK-SPORTS(TKS)のブースに展示された「ロータス・バスタブ・ヨーロッパ」。なんと中身はロータス「エキシージ240カップ」だという。

誰でも気楽に日常使いできるロータス

1960年代に生まれたロータス・ヨーロッパは、クルマ好きなら誰もが憧れる素晴らしいスポーツカーだが、ヒストリックカーにあまり馴染みのないドライバーが現代の路上で日常使いするには、いささかハードルが高い。

そこでTKS代表の久保貴弘さんが企画したのが「熟年層の方でも違和感なく乗れ、かつ安全快適なロータス」というコンセプトの、このバスタブ・ヨーロッパなのだ。

ご存知の通りエキシージを含む現行のロータス各車は、アルミの構造体(通称アルミバスタブシャシー)を接着剤で繋ぎ合わせた独自のフレームにボディ外板をまとっているが、そのフレーム/シャシーはそのままに、ヨーロッパ風のFRP製ボディを組み合わせたというのが、このバスタブ・ヨーロッパの概要だ。


もちろんヨーロッパとエキシージではホイールベースもトレッドも全く異なるので、ヨーロッパのデザイン・エッセンスをエキシージのディメンションに再構築するゼロからのデザイン作業から始まり、その後は果てしないボディワークとフィッティングを繰り返して、約1年の歳月をかけて完成させたという。

職人の手作業によるボディワーク

昨今では3Dスキャナーや3Dプリンターなども発達しているので、それらを駆使することもできたのだが、TKSの久保さんは、

「ヨーロッパが生まれた時代の味わいを生み出すには、やはり職人の手による温かみが必要だし、それがオリジナルに対する礼儀でもあります」

との考えから、時間的にもコスト的にも不利になる手作業による造形を選んだ。ちなみにこのこだわりのボディワーク自体は、カスタムカーの老舗ビルダーとして名高いガレージイルの松浦彰氏が手がけたとのこと。

旧車に慣れていない人にも快適な趣味車ライフを

ご覧のとおり内外装ともに高い水準でフィニッシュされているバスタブ・ヨーロッパだが、初期のエリーゼの時代から長年にわたりロータスのチューニング/カスタムを手がけてきたTKSだけに、最新のロードカーに求められる安全性や快適性、車検への対応や日々の維持管理に関しても抜かりはない。さらにはリアのトランク・スペースが倍増しているなど、むしろ日常の使い勝手はベースとなったエキシージより増している点もあるほどだ。

イベント開催時点ではまだこの1台のみだが、すでに各方面からの反響もあり、将来的には車両改造費300万円台からの「量産」を目指しているとのこと。

「熟年層の方でも違和感なく乗れ、かつ安全快適なロータス」。その狙い通りに仕上がったユニークな「ヨーロッパ」である。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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