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8輪の偵察車が登場! ド迫力の自衛隊車両が「大阪オートメッセ」に展示中です

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TEXT: 長尾 循(NAGAO Jun)  PHOTO: 長尾 循

大阪オートメッセ2023に自衛隊も展示協力

近年の自衛隊は広報活動にも積極的で、さまざまな車両を各種イベントに展示するとともにその活動の内容を一般に広く知らしめている。2023年2月10日〜2月12日にインテックス大阪で開催中の「大阪オートメッセ2023」にも、地元関西の伊丹駐屯地に駐屯する陸上自衛隊第36普通科連隊の所属車両2台が屋外展示スペースに展示された。どちらも装輪式の車両で、1台が偵察や連絡、隊員の移動などに使われる軽装甲機動車、もう1台が巨大な8輪のNBC偵察車だ。

最強のオフロードカー、軽装甲機動車

軽装甲機動車はその名の通り、小火器の銃弾や砲弾の破片などを防げる装甲を持つ4人乗りの小型車両で、全長約4400mm、全幅約2040mm、重量は約4500kg。エンジンは160psを発生するいすゞ製の4気筒ディーゼル、4速ATのトランスミッションを介した最高速度は約100km/hと言われる。現代の軍用車だけに、室内にはエアコンも備わる。

ルーフには防弾板と機銃架も用意され、ステップやボンネットなどの靴底が当たる面には、滑り止めのザラ付いた表面処理が施されているのも印象的だ。また、分厚い防弾ガラスのウインドウや頑丈そうな前輪ダブルウィッシュボーン、後輪セミトレーリングアームの足まわりからも、いかにもヘビーデューティな用途であることがうかがえる。一般的な乗用車などと異なり、主要諸元も多くの部分が未公開だったり室内のディテールが撮影不可であるのは、その使途を考えればある程度はやむを得ないところだろう。

全長8メートル! NBC偵察車とは

そしてNBC偵察車(Nuclear Biological Chemical Reconnaissance Vehicle)は、CBRNテロ・大量破壊兵器への対処を行う化学科部隊の車両だ。CBRNとは、化学(Chemical)、生物(Biological)、放射性物質(Rediolodical)、核(Nuclear)の頭文字。それらの「兵器」で汚染されたと思われる地域にいち早くおもむき放射線強度の測定、有毒な化学剤・生物剤などの検知識別、試料採取、気象観測などの偵察を行い、ネットワーク化された指揮システムと連携しつつ後続の部隊にしかるべき除染処理に必要なデータを用意するというのがその任務だ。

全長約8000mm、全幅約2500mm、全高約3200mm、重量は約20トンと大型トラック並みの巨体で、ツヤ消しの迷彩塗装がさらに迫力を醸し出している。エンジンはアメリカのカミンズ社製水冷4サイクルターボチャージャー付きディーゼル。最高速度は95km/hといわれ、こちらも乗車定員は4名。展示車両は車体上部の12.7mm機銃にカバーがかけられていたが、これらが実際に使われることのなきよう願うばかり。

伝統的に自衛隊の装甲車両は、装軌式(いわゆるキャタピラ)は三菱、装輪式は小松製作所という住み分けが基本だが、こちらの2台もその例に漏れずいずれもコマツ製だ。

* * *

普通の乗用車とは異なり個々の用途に特化した「はたらくクルマ」には、それぞれ独自の機能美がある。考えられる限りもっともハードな状況を想定した自衛隊の車両は、ヘビーデューティ志向の究極の形といえるだろう。大迫力の姿とディテールをチェックしに、560台のカスタムカーが集う大阪オートメッセへ足を運んでみることをお勧めする。

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  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 長尾 循(NAGAO Jun)
  • 1962年生まれ。デザイン専門学校を卒業後、エディトリアル・デザイナーとしてバブル景気前夜の雑誌業界に潜り込む。その後クルマの模型専門誌、自動車趣味誌の編集長を経て2022年に定年退職。現在はフリーランスの編集者&ライター、さらには趣味が高じて模型誌の作例制作なども手掛ける。かつて所有していたクラシック・ミニや二輪は全て手放したが、1985年に個人売買で手に入れた中古のケーターハム・スーパーセブンだけは、40年近く経った今でも乗り続けている。
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