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トヨタ「GRスープラ」は車好きじゃない人のハートも鷲掴み! 実用性の高いスポーツカーでした【AMWリレーインプレ】

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TEXT: AMW 米澤 徹(YONEZAWA Toru)  PHOTO: AMW 米澤 徹

毎日でも乗れる日常性を備えている

正直に胸の内を明かすのは不安だった。スポーツカーに乗るのは数年ぶり。しかも今回お借りするのは2022年10月に登場したMTモデルのトヨタ「GRスープラ」。車高も低いし、パワーもある。新車価格は731万3000円(消費税込)と私の年収では到底届かないから、もしも壊してしまったりしたら……。

スタイリングは、最後に乗ったスポーツカー、スズキ・カプチーノ以来のロングノーズショートデッキスタイル(カプチーノがロングノーズかどうかはさておいて)。小さいクルマが好きな私にとって、GRスープラの車幅は1865mmと聞いてワイドだなぁ……と思う始末。そんな不安ばかりの私が乗ってきた今回の印象と、日常使い、実用性をチェックしてきたので僭越ながらレポートさせていただく。

ドーンブルーメタリック色は引き締まったボディを感じさせてくれる

借り出し場所で所定の手続きを行い対面したGRスープラは、ボディカラーの影響もあってか意外にも大きくないなというのが第一印象だった。ドーンブルーメタリック色は引き締まったボディを感じさせてくれるということだろう。全長4380mm×全幅1865mm×全高1295mmと、ボディサイズでいうとアストンマーチンV8ヴァンテージやポルシェ718ボクスター、日産フェアレディZとほぼ同じサイズ。ということは大きいのかもしれないが、そうは感じないのだ。GRスープラのサイドスタイリング

早速キーを預かり、ドアを開けてお尻から滑り込むように乗り込む。スターターボタンは、中央のエアコン吹出口の向かって右側の下にあった。普段は大衆車のマニュアル車に乗っているせいか、やや重めに感じたクラッチを踏みギアのニュートラルを確認しつつ、プッシュすると「キュンキュキュン、ブフォン」と吠える。そのままギヤを1速に入れ、クラッチをリリースしながら、いつもの撮影場所に向かった。

クラッチのミートポイントはつかみやすい

乗り出してすぐに感じたのは、クラッチミートのポイントは決してつかみにくくなく、アクセルを不必要に煽ることなく発進することができるスムースさ。普段、1.2LのNAエンジンをMTで乗っているせいもあってか、あらためて直6ターボエンジンのトルクの太さを感じた。

しばらく都内を走らせる。アクセルをグッとヒト踏みするだけで、みるみると速度的には上り詰めるのはわかっているので、忙しなく変速するというよりは、1段飛ばしをしながら40~50km/hで走らせる。

そう考えるとキャラクター的にはATの方があっているとも思えるのだが、あえて大排気量をMTで操る楽しさについて考えてみると、高回転まで回すというよりは、自分の意思で選んだギヤで踏力によるリニアな加速を楽しめる、これなのかなあと。

コーナーリングでは3ペダル(アクセル、クラッチ、ブレーキ)を駆使し、シフトダウンをしつつステアリングを切り込み加速姿勢を作る、これら一連の動作は、クルマを操っているという感覚にさせられる、そのものなのだ。

昨今、自分の知らないところで勝手に制御されている機械任せなところを、自分で御しているからこそ「運転って楽しい」という満足感を満たしてくれるといったところか。

自動ブリッピング機能があるからリターンMTドライバーでも楽しむことができる

撮影現場に到着し、あらためてエクステリアを眺める。よく言われているチャイニーズアイのような何か伝統的なフォルムを感じさせるサイドウインドウが目に刺さってくる、ぽっちゃりとも言えなくもない空力特性を極めた究極ラインのダブルバブルルーフはトヨタ2000GTにも見える。ダックテールのスタイリングもカッコいいなぁと思いながら、撮影をはじめた。

仕事の移動手段を兼ねての運転時でもあったため、次なる取材先に移動するため、ふたたび一般道を走り出す。あらためていろいろと意識をしながら試乗することにした。

6速で約50km/hだとエンジンの回転数は1200rpm前後だった。もう少しエンジンの回転数を上げたいと思い、ニュートラルに入れてからアクセルを煽ろうと思ったが、そういえば……と思い、4速にシフトダウンすると自動でブリッピングをしてくれた。スムースなシフトダウンのためにエンジン回転数を上げてくれる「iMT(インテリジェント・マニュアル・トランスミッション)」のおかげで、リターンMTドライバーでも楽しむことができるだろう。

GRスープラのシフトノブ

シフトノブ近くにある、スポーツモードをワンプッシュすれば、アクセルのレスポンスが高まりエンジン音も野太くなる。ステアリングはやや重めになるような感覚によって手応えが感じられるし、サスペンションも減衰力が高まり硬めのセッティングとなる。嬉しいことに、MTモデルはiMTのON/OFFが選択できる。従来のように自分で回転を合わせて走りを楽しめるのだ。

とはいえ、まだ実走行1340kmと新車に近い状態なので、やや個人的にはブレーキの癖が掴めず、自らヒール&トゥをするというよりは、クルマ任せに走らせた。

右折レーンに入り、矢印信号を確認しながら、3速40km/hから2速に落としてみた。すると、ブフォン~と、まるで運転がうまくなったかのような錯覚に陥りながら交差点を駆け抜けた。

段差は思ったほど気にしなくてもいいが速度を落として侵入

気分が良くなったところで、取材前にコーヒーを飲もうと思いコンビニに立ち寄ろうとしたとき……思い出した。駐車場付きの都内のコンビニの場合、歩道を跨いで入るシチュエーションが多く、たいていは段差やスロープとなっている。最低地上高については、保安基準で9cm以上と定められているので、どのクルマも基本的に9cm以上あるのは理解している。とはいえ、樹脂製の前後スポイラーやサイドスカートは、この基準に含まれない。事前に測った数値だとフロントスポイラーは地面から20cmの余裕があることはわかっているが、やはり緊張する。

なるべく斜めに入る意識をしてその場を乗り切ったものの、実際にはどうだったのだろう。クルマから降りたら、慎重に駐車場に入るところを見ていたおじさんに「斜めに入っていたけど全然余裕だったよ」と観察状況とアドバイスがいただいた。ちなみに、輪止めでリアバンパーを擦るようなことはなかった。もちろん輪止めより手前に止まるのはクルマ好きの鉄則だが、もしも輪止めまで下がりすぎても当たってしまうことはなさそうだった。

冷や汗を拭い取材先へ。駐車場に到着すると取材先の社長が出迎えてくれた。興奮気味に「いい音するから出てきちゃったよ! 格好いいね~スープラ」と食い気味に話しかけてきてくれた。やっぱりスポーツカーはクルマ好きにとって特別な存在なんだなとあらためて思い知らされる。

試乗日初日で、MT仕様GRスープラの地上高や乗降性、運転の快適性、楽しさがわかった。では普段使いでの実用性はどうだろうか。

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