軽量なプラグインハイブリッドで気持ちよく加速
車載される動力は、省エネルギーを前提とした諸元で、後輪は排気量1.5Lのガソリンターボで駆動し、ミッドシップに搭載されている。前輪はモーター駆動によるプラグインハイブリッド車であった。
0~100km/hは4.4秒で到達し、最高速度は時速250kmであった。1.5LのガソリンターボエンジンはBMW「ミニ」にも使われているもので、直列3気筒である。しかし、ミニで運転したときよりも軽快に走る印象があったのは、車両重量がわずか1500kgに抑えられていたからだろう。また、空力を徹底追求した外観により、限られた動力性能であっても250km/hを実現できていたといえる。
◎BMW LIFE (af imp LIFEシリーズ) (CARTOP MOOK)
SDGsの時代に「駆けぬける歓び」を表現する試み
バタフライドアを開けて乗り込む様子は、まさにスーパーカー的で快い緊張を味わわせる演出であった。しかし運転は難しくなく、前方の視界もよく、誰もが操作できる身近なスポーツカーと思わせた。また、アクセルペダルを深く踏み込むと、大排気量の多気筒エンジンのような音が室内に轟き、環境性能を意識したつくりであることを忘れさせる情熱を伝えてきた。
車外騒音規制が厳しさを増すなか、今日では車内に猛々しさを演出するエンジン音を轟かせることが広まっているが、i8はその先駆けとなる1台であったといえる。その延長線として、BMW最新のEVである「iX」は、エンジン音とは別の走行音を車内で聞かせる演出を選べるようにしている。
駆けぬける歓びをEV時代にどう演出するかを摸索するBMWである。