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西部開拓の原点「ルイス・クラーク探検隊」の足跡をたどる。キャンピングカーの雨漏りは現地の写真家に直してもらいました──米国放浪バンライフ:Vol.21

西部開拓の原点「ルイス・クラーク探検隊」の足跡をたどる。キャンピングカーの雨漏りは現地の写真家に直してもらいました──米国放浪バンライフ:Vol.21

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TEXT: 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)  PHOTO: 牧野森太郎

友だちの友だちを訪ねてフッド・リバーの町へ

ルイス・クラーク探検隊にまつわる史跡を見学し、ケープ・ディサポイントメントのステートパークに1泊。次に向かった先はコロンビア川に面したフッド・リバーという町だった。当初は訪ねるつもりがない町だったが、雨漏りに悩んでいると知った世話焼きのナネッタ(2021年に他界した友人のモータージャーナリスト、デビッド・フェザーストンの奥さん)が、デビッドの友人のゲーリーがフッド・リバーにいるから修理を手伝ってもらえばいい、とアレンジしてくれたのだ。

デビッドの友人なら、ホットロッドやマッスルカーは専門だろうが、そんな人にモーターホームの雨漏り修繕などさせていいのだろうか? さすがに気が引けたが、雨漏りを心配したまま旅行は続けられない。思い切って訪ねることにした。

美しいふたつの山の異なる運命

直接、家に来てくれというのでナビを頼りに向かったが、家が見つからない。留守電にメッセージを入れて、クルマから出るとリゾート地として有名なフッド山がきれいに見えている。

バシバシ写真を撮っていると、ゲーリーが現れた。挨拶代わりに「フッド山がきれいに見えますね」というと、あれはフッド山ではないという。ワシントン州のアダムス山という山で、東半分はネイティブの居留区になっていると教えてくれた。同じように美しくても、かたや大規模商業開発され、かたや知られざる存在になる。不思議なものだな、と思った。

その後、通りがかったカフェの名がツインピークス・カフェというので、何かと思ったら、そこからはふたつの山が右手と左手に一度に見えるポイントなのだった。

クルマのDIY修理ならアメリカ人の得意技

ゲーリーは気さくな人で、「すぐにやってみよう」と話はまとまった。ハードウェアショップでシーリング用のテープとスプレーを買い、脚立でルーフに上ると手際よく作業を済ませてくれた。

ちなみに彼の父親はホットロッドを題材にしたカートゥニストとして有名なトム・メドレーで、彼自身もプロの写真家だった。ランチにサンドイッチをご馳走しただけで、本当にこんなことをお願いしてよかったのだろうか?

なお、彼の立派なガレージにどんなすごいクルマが入っているのかワクワクしたが、出てきたのは拍子抜けするほど何でもないホンダ・エレメントだった。クルマの趣味はとうにやめて、今は自転車に凝っているのだそうだ。イタリア製のこだわりの1台がうやうやしくメンテナンス・スタンドにセットされていた。

■「米国放浪バンライフ」連載記事一覧はこちら

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  • 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)
  • 牧野森太郎(MAKINO Shintaro)
  • アウトドア誌、ライフスタイル誌などの編集長を経験。2001年にアメリカでキャンピングカーを購入して以来、国立公園を訪ねることをライフワークとする。著書に『アメリカ国立公園 絶景・大自然の旅』『自分自身を生きるには 森の聖人ソローとミューアの言葉』(ともに産業編集センター)がある。カリフォルニア州シェラネバダ山脈のジョン・ミューア・トレイルを計30日かけて踏破したレポートがデルタ航空機内誌「sky」に掲載され、カリフォルニア観光局のメディア・アンバサダー最優秀賞を受賞。
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