国産スポーツカー好きが話題のスープラに乗ってみた
話題のニューモデルをあらたてめてじっくり試乗し、編集部員目線でリポートする当企画。今回は90年代国産スポーツカーが好きなAMW編集部・原田が、話題のトヨタ「GRスープラ」をカスタム目線も交えてリポートする。
日産党でも気になる存在だったA80スープラ
「スープラが復活する」
国産スポーツカーが好きな筆者にとって、名車の名が復活してくれるのは非常に嬉しかった。学生だった当時、モータースポーツは国内ツーリングカーレースの最高峰である「全日本GT選手権」を観戦。A80型スープラ(以下、80スープラ)は、応援していた日産「スカイラインGT-R」の手強いライバルという印象だった。
また、『ワイルド・スピード』シリーズの1作目では、クライマックスでBOMEX製エアロを装着したオレンジの80スープラが大活躍。それだけで、日産党の筆者も「スープラに乗ってみたい」と思わされてしまった。
以降、スープラに触れる機会もなかったが、姉妹誌『CARトップ』編集部に在籍していたときに90年代スポーツカーに乗るという企画にて、日産「スカイラインGT-R(R32)」、ホンダ「NSX」、そして80スープラに乗る機会に恵まれた。もちろん、いの一番にスープラへ座ったのは言うまでもなく。気になっていた80スープラは、直6ツインターボエンジン「2JZ-GTE」を搭載する6速MT仕様だ。
箱根のワインディングで試乗したのだが、パワフルなエンジンと後輪駆動という組み合わせは、法定速度内であってもワクワクさせてくれた。そして、「念願だったスープラを運転している」という感覚が、なによりも楽しかった。愛車としてスープラを手に入れることはなかったが、国産名車の代表格に乗れたのはとても嬉しかった。
平成12年度自動車排出ガス規制により、80スープラは惜しまれつつも2002年に生産終了。それから17年の時を経て、DB型(通称A90)として復活したのが現在のスープラだ。
コンセプトカーの雰囲気を残すエクステリア
BMWとの協業で復活した現行スープラは、パワーユニットなどはBMW製をベースに仕立てられている。先代は3L直6エンジンのターボもしくはNAという設定だったが、新型は3L直6ターボと2L直4ターボというラインアップに。トランスミッションは当初8速ATのみだったが、2022年に今回試乗した6速MTが追加された。
エクステリアは、2シーター化されたことで先代よりも引き締まった印象。ロングノーズなスタイリングはスポーツカーらしさを際立たせてくれる。試乗車は大人のGTを彷彿とさせるようなダークブルー。個人的にはレッドやイエローといった原色系のほうが、スープラのグラマラスなボディ造形と相まって似合うのではないかなと感じた。
フロントマスクは、コンセプトカーである「FT-1」の雰囲気を色濃く残している。最近では薄型になる傾向にあるヘッドライトだが、大型のもので存在感はバツグン。デイライトとウインカーが一体となっており、ウインカー作動時には自動で切り替わる仕様である。
バンパー下部は両端が跳ね上がったリップ形状となっているが、ここはもう少し先端部が伸びたタイプにしたほうが、レーシングカーのような雰囲気が増してカッコいい。
またフロントマスクに限らずだが、各部のダクトはダミーになっており、チューニング度合いに応じて外して活用できる仕様。とはいえ、プラスチックのハニカム構造のはめ込みカバーは、いかにも……な寂しい雰囲気。ここを本物のダクトに変更するだけでも印象が変わるのではないだろうか。
サイドスカートはブラックカラーでフィンタイプ。レーシングカーのような雰囲気だが、後輪付近は跳ね上がっており躍動感があるが、やはりサイドステップも、もう少し大きいタイプのほうが存在感が高まってカッコよくなるかな、と感じる。
リアビューは、ダックテール形状のバックパネルがスープラの迫力に大きく貢献している。個人的に大きなGTウイングなどは好みではないので、ここにテール形状を延長するようなコンパクトタイプのミニウイングの追加で迫力アップすること間違いなし。欧州スポーツカーのカスタムでも定番となっているメニューは、ドイツの血も流れているスープラにも合うはずだ。
バンパー下部はレーシングカーのような大型ディフューザー形状。センターにはリアフォグランプが埋め込まれているが、これもレーシングな雰囲気満点。カッコいいが、晴天時など必要ないタイミングでの点灯はご法度だ。
マフラーは大口径の左右2本出し。迫力あるリアビューの演出に貢献してくれる。しかし、騒音規制の兼ね合いもあるのか、車内に響くサウンドは少々寂しい。ここは社外品を装着して、直6ターボの迫力あるサウンドをもっと際立たせたいところだ。