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【エンジンこそすべて】車好きをゾクゾクさせるエンジンを搭載したクルマを紹介! 見た目がいいと不思議とサウンドもいいのです

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TEXT: 藤田竜太(FUJITA Ryuta)  PHOTO: Ferrari N.V./McLaren Automotive/ Stellantis N.V

あらためてじっくり見たくなるほどの美しさ

最近のクルマにひとつ不満があるとすると、ボンネットを開けてもエンジンがほとんど見えないところだ。近頃のクルマは、どれも大きなエンジンカバーに覆われていて、エンジン本体が隠れてしまっている。機械好きとしては、エンジンの造形こそ魅力があり、プラモデルを作成するときもエンジン本体を組み立てるときは、かなりワクワクしたはずだ。というわけで、国内外のエンジンの造形に魅力があるクルマをいくつかピックアップしてみよう。

フェラーリF40

フェラーリの市販車はエンジンカバーが透明で、外からエンジンが見える車種がいくつかあるが、その先駆けとなったのがF40。当時最強の478psを誇る3L V8エンジンには、日本のIHI製のツインターボと大きなインタークーラーが鎮座する。サージタンクやインマニのデザインも独特で、3本にまとめられたエキゾーストパイプのカーブもセクシー。見せる下着ならぬ、見せるエンジンの第一号といったところだろう(最高速度は公称324km/h)。

アルファ ロメオ147GTA/156GTA

デザインされたエンジンといえば、アルファ ロメオの147や156に搭載された、V6エンジン、いわゆる「V6ブッソ」を抜きには語れない。V6ブッソを開発したのは、アルファ ロメオのエンジニア、ジュゼッペ・ブッソ(一時、フェラーリにも移籍)。彼の作ったV6エンジンは、サウンドの美しさと見た目の良さ、そして高回転まで気持ちよく回る吹けの良さを兼ね備えた傑作だった。

V6ブッソは1979年、アルファ6(セイ)に最初に搭載され、改良を重ねながら26年間製造された。最後のモデルは2005年の147GTAと156GTA。赤字で「Alfa Romeo」と書かれたヘッドカバー、「V6 24V」と書かれたサージタンクも見事だが、インマニはもはや芸術的だ。

マクラーレンF1

F1の名門コンストラクター、マクラーレンが1992年に発表した究極のロードゴーイングカーが、マクラーレン「 F1」。当時、もっとも優秀なF1マシンの設計者のひとりで、鬼才といわれたゴードン・マーレイが設計を担当した。

そのエンジンに選ばれたのが、BMW製の専用エンジン「S70/2」だ。V型12気筒で、排気量は6064cc。最高出力は627ps、最大トルクは600Nmを誇り、NAエンジンのスポーツカーとして、マクラーレンF1より速いクルマは存在しなかった。マクラーレンF1のエンジン

エンジンの設計は、BMWの伝説的なエンジニア、ポール・ロッシュを中心に行われ、「ロッシュエンジン」の異名もある。マクラーレンF1のエンジンルームというと、人工衛星に使われるような金色の遮熱板のイメージが強いが、単体で見るとじつに無駄のない機能美を備えたエンジンだというのがわかる。

ちなみにこのS70/2は、12気筒エンジンだが独立スロットルを採用。排気系にはインコネル合金を使っている。

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