ワゴンでも0−100km/h加速3.6秒
BMWは2023年1月、3シリーズツーリング(ステーションワゴン)をベースとしたBMW M社のMハイ・パフォーマンス・モデル「M3コンペティションM xDriveツーリング」の国内販売を発表した。
エンジンは510psを発揮する3L 直6ツインターボを搭載
BMW M社の50周年を記念したモデルの1台として開発された「M3ツーリング」は、2022年6月のグッドウッド・フェスティバル(イギリスで毎年開催されている歴史あるモータースポーツイベント)でワールドプレミア、ドイツでは同年9月に発売されている。
ミドルクラスの3シリーズと4シリーズの現行モデルには、「M3セダン」、「M4クーペ」、「M4カブリオレ」がラインナップされており、ツーリングは4番目のモデルとなる。ちなみに3シリーズ ツーリングのMハイ・パフォーマンス・モデルは、2000年にプロトタイプが製作されたのみで、量産モデルは今回が初となる。
エンジンは最高出力510ps・最大トルク650Nmを発生する3L直6ツインターボを搭載。吸気ダクトや鍛造ピストンなどを最適化し、低回転域でも高いトルクを発揮するツインターボチャージャーなどを採用した。組み合わされるのは8速Mステップトロニック・オートマチック・トランスミッションとなる。このツインパワーエンジンにより0−100km/h加速は3.6秒を実現している。
駆動システムはM専用4WDであるM xDriveを備えた。これは、M専用に開発されたドライビング・ダイナミクス・コントロールが制御、DSC(ダイナミック・スタビリティ・コントロール)を装備し、日常の街乗りから過激なサーキット走行まで対応してくれる。
Mダイナミック・モードでは、後輪へのトルク配分を高めるとともに後輪のスリップ許容量を大きくすることで、より多彩なハンドリングを楽しむことができる。さらに、DSCをオフにすると、最もバランスの良い4WDモード、より高い精度のステアリング特性と力強いトラクションでスポーティな4WD Sportモード、制御システムが介入することなくダイレクトな運転を楽しめる上級者向けの2WDモードが選択可能だ。
最新運転支援装備やコネクテッド機能も充実
ボディをはじめ、ドライブトレインを構成する多くのパーツにアルミを用いることで軽量化が図られた。足まわりにはM専用サスペンションが装着される。ワイドトレッドでアグレッシブなエクステリアには、特徴的なキドニーグリルや大型エアインテークを備えるフロントマスクを採用。
リアにはダウンフォースを得るためのスポイラーと空力を高めるディフューザー、Mスポーツ・エキゾーストなどが備えられている。また、ブレーキもサーキット走行に対応する軽量化された6ポッドMコンパウンド・ブレーキを標準とし、耐摩耗/耐熱性能をより高めたMカーボン・セラミック・ブレーキをオプションで用意している。
インテリアはMモデル専用デザインのメーターパネルやM専用ステアリングを採用。シートもMスポーツ・シートが備わり、スポーティ感を高めている。また、さらにスポーティなMカーボン・バケット・シートがオプションで用意されている。
サーキット走行まで対応した走りのハイパフォーマンスモデルながら、運転支援システムなどが充実していることもポイントだ。最新の安全機能・運転支援システム(ドライビング・アシスト・プロフェッショナル)を標準装備。高性能3眼カメラ&レーダーと高性能プロセッサーによるこのシステムにより、高速道路での渋滞時などにドライバーの運転負荷を軽減してくれる「ハンズ・オフ機能付き渋滞運転支援機能」も備えている。
また、最新世代の車載通信モジュールであるBMWコネクテッド・ドライブを採用。AI技術を活用し音声会話だけで各種操作を行なってくれる、インテリジェント・パーソナル・アシスタントも備えており、「OK、BMW」などの呼びかけに対応してくれる。さらに、Amazon Alexaも備わっているので、スマートフォンアプリ(My BMW)を使って車両を連携させれば、自宅さながらのサービスや機能を利用することも可能だ。
ラゲッジ容量は通常(5名乗車時)で500L、後席を倒せば最大1510Lまで拡大する。国内価格はセダン(M3 コンペティション M xDrive)より17万円高となる、1398万円(消費税込)である。
AMWのミカタ
ちなみに、アウディ「RS4 アバント」のエンジンは、2893ccV型6気筒ターボで、最高出力・最大トルクは、450ps・600Nm、車両価格は1299万円(消費税込)。M3に四輪駆動でツーリングが登場したいま、「仕方なく」RS4 アバントを選んでいた人にとって、M3コンペティションM xDriveツーリングは非常に悩ましい選択となるに違いない。