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マフラーから白煙が出ていて大丈夫? 旧車の場合はすべてが整備不良ではありません。白煙の原因と対策とは

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TEXT: 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)  PHOTO: 高桑秀典/写真AC/AMW編集部

クラシックカーでは必ずしも白煙=整備不良ではない

信号が赤から青に変わり、旧車がブイーンと加速していくとき。あるいはクラシックカーがたくさん集まるイベントの入退場時などに、リアエンドのマフラーから白煙がモクモク出ているシーンを目撃することがある。マフラーから白煙が出ていて、故障ではないのか心配になる人もいるだろう。

明らかに整備不良のクルマは別として……

エンジンの排気量が360ccだった時代の2ストローク軽自動車や、明らかに整備不良の4ストロークエンジン車では、たまたま真後ろを走っていた後続車が車線を変更するほどモクモクしている旧車もある。最近のクルマにしか乗ったことがない人にとって、クラシックカーのマフラーから出る白煙はドキッとする未知の存在だといえるだろう。

旧車のマフラーから白煙が出ているシーンを目撃するたびに、あれれ、大丈夫かしら? と思わず心配になってしまうが、不具合の兆候ではない白煙もあることを知っておきたい。

寒い日の水蒸気は今どきのクルマでもよくある現象

クルマの新旧を問わず、マフラーから出る「白煙」には2種類ある。液体の水が気体になった際に発生する水蒸気と、可燃性の物質が燃焼するときに発生する煙に大別することができる。

水蒸気は寒い日にエンジンを始動するとマフラーから出てくることがあり、旧車のみならず、昨今のクルマも例外ではない。無臭で、エンジンが温まると次第に出なくなるので、水蒸気がマフラーからモクモク出ているからといって、エンジンが故障しているということではないのだ。安心して大丈夫である。

焦げたニオイの白煙もずっと続かないのであれば調整可能な範囲

一方、エンジンオイルが焦げたようなニオイがする白煙は要注意で、なんらかのトラブルを暗示していることがある。とはいえ、クラシックカーのプロに聞いてみたところ、旧車であってもエンジン始動時からずっと白煙が出続け、走行中もモクモクしてしまうような状態でない限り、オイル上がり/オイル下がりであろうとも車検を通せるレベルには排ガス調整することができるそうだ。また、レース用のピストンを使っている場合、チューニングによっては、どうしても白煙が出てしまうことがあるという。

基本的にエンジンのクリアランスが大きいクラシックカーは、加速時に多少の白煙が出ても問題ナシとされているので、すべてがダメということではない。旧車のマフラーからエンジンオイルが焦げたようなニオイの白煙が出ていても、ずっと出続けない限りは安心して大丈夫だ。エンジンのオーバーホール時期を見極める際の参考にするぐらいのモノだといっていいだろう。

* * *

ちなみに、一般的にオイル上がり/オイル下がりの症状に対しては粘度の硬いエンジンオイルに交換してみる、もしくは市販の添加剤を入れてみるといった対処法があるが、パーツの摩耗が進んでいる場合には効果はなく、修理や部品の交換が必要となる。そんなときは悪あがきをすることなく、素直にエンジンをオーバーホールしたほうがいいだろう。

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  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 高桑秀典(TAKAKUWA Hidenori)
  • 本業はフリーランスのライター兼エディター。1998年に買ったアルファ ロメオGT1600ジュニア(通称:水色号)を現在も愛用しており、すでに総走行距離が30万8000kmオーバーとなっている(2022年4月中旬現在)。クラシックカーラリーに水色号で参戦取材することがライフワーク(?)となっており、群馬をホームタウンとして開催されている「スプレンドーレ」では、柴犬を“ワン・コドライバー”、秋田犬を総監督として挑んでいる。全国各地に水色号でお邪魔しているので、これからも走行距離が順調に伸びる予定。
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