仕様の異なる3台のRX-7に来場者も釘付け
世界の名だたるスーパーカーのボディを躊躇なくカットしたオーバーフェンダーカスタマイズで世界の度肝を抜いたカスタマイズブランド「リバティーウォーク」。近年は新たな流れとして、往年のスーパーシルエット(Gr.5)レースをモチーフとしたオールドカーファンを魅了するボディキットも発売し、話題を呼んでいる。
RX-7をこよなく愛する「三好自動車」が4カ月で製作
その流れを組む最新モデルが、1970年代最強の911レーシングカーとして名高いポルシェ「935/78」をモチーフにしたエアロダイナミクスボディをマツダ「RX-7」に組み込んだ「LBスーパーシルエットFD3S RX-7」だ。AMWでは3セットオーダーが入っていることをすでにお伝えしているが、その3台が大阪オートメッセに集ったのだ。
全幅がフロント片側50mm、リア片側70mm拡大され、前後方向に大きく約1mも延長された空力フォルムはまさにモビー・ディック(白鯨)の愛称に相応しく威風堂々としたもの。その巨体をもつカスタマイズカーが同時に3台並ぶ姿は、まさに圧巻のひと言であったことを伝えておきたい。
マシンを製作したのは岡山県でロータリーエンジン搭載車をこよなく愛し、多くのカスタマイズショーでアワード車を作り上げてきた「三好自動車」だ。大阪オートメッセに照準を合わせ、同ショップのトップカスタマーたちの協力を得て、3台同時にお披露目することを企画。親交のあるリバティーウォークに早くから「LBスーパーシルエット」のエアロキット購入を打診して2022年10月から製作をスタートし、わずか4カ月で写真のとおりの個性際立つ3台のマシンを作り上げてきた。
コンセプトは「ポルシェ935に見えず、FD3Sらしさを損なわないこと!」
まず、赤いマシンだが、こだわったのはパッと見たときにポルシェ935に見えないこと。昔からポルシェを含めて、多くのマシンが採用してきたコカ・コーラのカラーリングをベースとしているが、現役で走っていた1970年代のレーシングカーのカラーをそのまま再現すると、ポルシェ935に見えてしまう可能性がある。それでは新しさがなく、RX-7らしさも消えてしまう。
そこでモチーフに選んだのが、2019年にアメリカのIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権を走った「911RSR」。太めのホワイトラインがフロントからサイド、トランクまで大きく湾曲しながら描かれているデザイン(ダイナミックリボン/1986年のセブリング12時間レースで優勝したポルシェ962をイメージ)を見て、これならポルシェのイメージも兼ね備えながら、現代風のイメージも盛り込めると確信したという。
ホワイトとブルーのカラーのマシンは熱狂的なマツダファンなら誰もが知っている1990年代にアメリカのIMSA GTO(箱レースの最上級)で圧倒的な強さを誇った「RX-7 GTO」がモチーフ。シルエットフォーミュラとは異なるものの、当時のGTOマシンも大幅にボディがワイド化されていたので、イメージは非常にかさなる。このクルマはロータリー車を得意とする三好自動車らしいカラーリングと言えるだろう。