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「森の開拓2年経過」アウトドアブームでキャンプ場大混雑! 山奥ならまだ誰にも邪魔されずに自然を満喫できます【おとなの山遊びVol.6】

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TEXT: 佐藤 圭(SATO Kei)  PHOTO: 佐藤 圭

  • 山小屋俯瞰

  • 近くの川
  • 山小屋俯瞰

どんどん充実していく山遊び

コロナ禍に、知人からの提案でスタートさせた山遊び。筆者はベースを決め、コテージなどを製作し、快適に過ごせる理想空間を仕立て上げた。今回は、筆者が山遊びの魅力を語りつつ、快適な環境を整える苦労について紹介しよう。

誰にも邪魔されず大自然を満喫できる贅沢な空間

森の開拓を始めて丸2年が過ぎた。思ったより手間はかかり、出費も少なくはないが、コロナ禍で行動を大きく制限される日々が続くなか、ストレスなく過ごせるのは間違いなく森のおかげ。

ハマりにハマっている理由はふたつある。まずは「人の目にほとんど触れないロケーション」だ。昔からキャンプは趣味のひとつとして楽しんでいたが、近年はアウトドアの大ブームのおかげでどこも大混雑とのこと、人混みが大の苦手な自分は足が遠のいてしまっていた。

その点ここは生活道路から遠く離れていることに加え、林道はすぐ先が行き止まりで交通量はゼロに等しく、クルマの音も聞こえなければ街明かりすら届かない。夜中まで話し込もうが音楽を聴こうがギターを弾こうが誰にも迷惑はかからず、朝もチェックアウトの時間に追い立てられ慌ただしく撤収する必要もナシ。人によっては寂しさや怖さを感じるかもしれないが、筆者としては「誰にも見られない」ロケーションが心地いい。

快適な空間を維持するのは大変だがそれも醍醐味

もちろん何もせず自由を享受できるワケではない。終わることがない害虫や野生動物の対策に、雑草の処理にログハウスやトイレの清掃と、安全で清潔な環境を維持するのはなかなか大変。ちょっとサボればすぐ元の荒地に戻ってしまうが、仕事もあり作業できるのは週に1~2日が限界だ。もっとも静かで自由な環境の代償と思えば苦にならず、今のところ作業そのものを楽しみながら過ごせている。

もうひとつの理由は「水がある」こと。自分の趣味嗜好に合うのは海水ではなく淡水、かつ停滞しているのではなくつねに動いている、沢レベルの小さな流れ。その点においてここはまさに文句の付けようがない。安全に歩いて渡れるレベルの深さと流れで、大雨が降った直後でも増水や濁りはほぼ皆無。朝は耳触りのいいせせらぎ音で目覚め、夏は天然の冷蔵庫としても役に立つ。

近くの川

それにキレイな水は何かに付けて重宝する。生命維持に必要だなんて大げさなことは言わないが、常備している浄水器で飲み水はいくらでも作ることができ、掃除に火の後始末にシャワーと、快適で安全な活動には水が不可欠。ほんの数メートルという距離に豊かな水が存在しており、少しの手間をかけるだけで飲用に堪えうる事実は、言いようのない安心感を与えてくれるのだ。

数年前に今の自宅よりもっと田舎への移住を考え、別荘地などの空き物件を探し歩いた時期があった。条件は「人の目に触れにくい」と「キレイな水が近くにある」だったが、前者はそこそこ交通量がある道路に面していたり建物が密集していたりで断念。後者はやはり水が近い土地は人気らしく、価格が折り合わないという結果に終わった。それらの条件を満たす理想の場所に出会えたのは、いくつもの偶然が重なった奇跡のようなモノだろう。

* * *

コロナ禍とアウトドアのブームが重なり、最近は山を買う人が増えていると聞く。次は開拓歴が2年と日は浅いながらも自分なりに学んだ、失敗しない場所と人の選び方について考えてみたい。

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  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 佐藤 圭(SATO Kei)
  • 1974年生まれ。学生時代は自動車部でクルマ遊びにハマりすぎて留年し、卒業後はチューニング誌の編集部に潜り込む。2005年からフリーランスとなり原稿執筆と写真撮影を柱にしつつ、レース参戦の経験を活かしサーキットのイベント運営も手がける。ライフワークはアメリカの国立公園とルート66の旅、エアショー巡りで1年のうち1~2ヶ月は現地に滞在。国内では森の奥にタイニーハウスを建て、オフグリッドな暮らしを満喫している。
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